娘が買ってきてくれた……
当分は芥川賞受賞作の批評を続けていくことに決めたので、昨日、ほしい本を眺めてため息をつくと、発表誌「文藝春秋」を買った。そして、前の記事のレビューを書いた。
比較的最近『ベールをとったイシス』と中古品『フラウィウス・ヨセフス伝』を購入したということがあったため、少なくとも8・9月は本は買えないと思っていた。
大抵の本は、図書館から借りられるから、基本的に本は買わない方針を立てたが、たまに、どうしてもほしい本が出てくる。
『子ども』は余裕があれば、真っ先に買っただろうが、どうしてもほしいと思う本のグループには入らないから(どうしてもほしい本のグループに入るのは、自らの思想、哲学、美意識に無視できない影響を及ぼしそうな予感の働く本)、ほしいと思いつつ、死ぬまで買わなかったかもしれない。
だが、娘が可哀想に思ったらしく、「上巻だけだけど」といって、『子ども』を買ってきてくれた。娘が『子ども』との縁をつくってくれたのだ。
書店に出かけるたびに、ほしそうにこの本を手にしてはまた戻す姿を見ていたみたいだ。
娘に恩返ししなくちゃなあ。それができるようになるかどうか……。
レビューを書くために、貴重な時間が潰れた。
短編小説の校正をなるべく早く終え、出来上がっている童話の校正と、ようやくお話が見えたもう1編の童話に取り組もう。
『子ども』、ほしかったけれど、どんな作品かは読んでみなくてはわからない。
著者はジュール・ヴァレス。「パリ・コミューンの闘士ヴァレス(1832―85)の文名を高めた自伝的作品」だそうで、「子どものころ、学校で死ぬほどいやな思いをし、家で泣かされたすべての者に、この本を捧げる」とある。
| 固定リンク
« 書評 - 鹿島田真希『冥土めぐり』(第147回芥川賞受賞作) ドストエフスキーの影響を受けそびれた貧弱な観念小説 | トップページ | 書評のためのメモ;ヴァレス『子ども』、ブラヴァツキー『ベールをとったイシス第1巻―科学上―』 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- (26日にオーラに関する追記)「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」を動画化するに当たって、ワイス博士の著作を読書中②(2021.01.25)
- 「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」を動画化するに当たって、ワイス博士の著作を読書中(2020.11.19)
- Kindle版評論『村上春樹と近年の…』をお買い上げいただき、ありがとうございます! ノーベル文学賞について。(2020.10.16)
- 大田俊寛氏はオウム真理教の御用作家なのか?(8月21日に加筆あり、赤字)(2020.08.20)
- コットンの花とマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(2020.08.17)