NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観て②
NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観て①
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/06/nhk-29b2.html
以下は、「NHK ONLINE クローズアップ現代」より。
- 2012年6月13日(水)放送
“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3213.html
【ゲスト】児童精神科医…石川憲彦,記者…井上登志子,【キャスター】国谷裕子
[引用ここから]……
上半身が揺れ続け、止まらなくなった12歳の子ども。足の先がけいれんし、小刻みに震え続ける高校生。今、多くの子どもが向精神薬の副作用に苦しんでいる。国立精神・神経医療研究センターが行った調査で、発達障害の症状がある子どもに対し、小学校低学年までに向精神薬を処方している専門医が全国で7割にのぼることが明らかになった。重い自閉症やうつ病の症状などに苦しむ人々の効果的な治療薬として使われてきた向精神薬。一方、子どもの脳に及ぼす影響は未解明で、処方する量や種類について明確な安全基準はない。今月3日、薬の深刻な副作用に子どもの頃から苦しんできた人たちが集まり、安易な投薬はやめるよう強く訴えた。処方の基準が曖昧なまま進められてきた子どもへの投薬。その結果もたらされた過酷な現実を伝える。
……[引用ここまで]
以下は、「togetter」の記事へのリンクです。
- クローズアップ現代「“薬漬け”になりたくない~向精神薬をのむ子ども~」書き起こし・ほぼ完全版 #nhk」
http://togetter.com/li/320436
上のリンク先へご訪問いただければ、番組の全貌がわかります。
ライン以下の「続き」には、相当に不完全ですが、わたしが録画した番組を観、残しておきたいと思ってとったメモを公開しています。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
★NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観てとったメモ
向精神薬を子供に処方する際の明確な基準がないまま、学校と医療機関の連携が国の方針で進められている。これに対し、副作用に悩んだ人や家族から危惧する声があがっている。
国谷「うつ病、統合失調症などの精神疾患は早く発見し、治療することで、悪化を防ぐといわれている。また重い症状が出てからでは薬が効きにくくなるケースがあるとされている。だからこの番組は一律に薬の投与を否定するものではない」
今、多くの子供たちが精神科を受診し、以下のような薬を服用している。
- 向精神薬……精神を穏やかにする
- 抗うつ薬……激しい落ち込みを改善する
- 抗不安薬
- 睡眠薬
発達障害やうつ病などの精神疾患で病院を受診した平成20年の未成年の患者数は15万人と、12年前に比べて倍増している。
以下は、薬物の開始年齢(国立精神・精神医療研究センター 中川栄ニ医師調べ)
- 就学前……39%
- 小学校低学年……36%
- 小学校中学年
- 小学校高学年
- 中学生
- 高校生
- その他
[小学低学年以上はそれぞれ10%未満で、上に行くにつれて減っている]
小学校低学年までが7割を超えている。成長過程にある子供たちに処方される薬は、子供への治験が難しいことなどから、子供が服用した場合の影響について、ほとんど解明されていない。つまり、子供への安全な処方の基準がないまま精神科を受診する子供に対して、精神安定剤や睡眠薬などが時に多量に処方されている。
以下は、9歳の男の子の例。
- 小学2年生のとき、母親が担任に呼び出された。「子供が授業中に歩き回り、困っている」
- 担任は市の教育相談を受けるよう母親に指示。
- 市の担当者は、母親に病院に行くよう伝えた。
- 精神科の医師は、発達障害の疑いがあるとして、衝動的な行動を抑える向精神薬を処方。
- 男の子は落ち着いて授業を受けるようになったが、しかし一方では生き生きとした表情が消え、痩せていった。「たまに頭痛がきて、食欲がなくなったり、いつものように力が出ないっていうか」と男の子。
- 母親が薬の添付文書を確かめると、男の子の訴える症状が薬の副作用として書かれていた。母親は薬をやめたいと学校に訴えた。
- 学校側は「子供は薬で落ち着いている。この状態を保ってほしい」と譲らなかった。
- 母親「薬を飲まないと、学校にいられないんじゃないか。息子は排除されるんじゃないか。そういう気持ちでいっぱいになって」
- 学校で問題を抱えた子供が病院を受診し、薬を飲むケースは最近増えている。
フリースクール「東京シューレ」の奥地圭子理事長
「ここ数年、子供たちがすぐに医療につなげられるケースに疑問を感じてきた」
奥地氏は、全国の親の会に呼びかけてアンケートを実施。不登校の子供の7割が精神科を受診、さらにその7割が向精神薬を飲んでいた。以下はアンケートより。
- 学校から医療へのハードルが低くなりすぎて危険。
- このままでは薬漬けになってしまうと恐怖を感じる。
奥地氏
「今は大変薬が多剤、多量投与になっちゃってて、どうしてこんだけの薬がいるんだろうっていうくらいに出る。果たして、子供にとっていいんだろうかっていう非常に大きい問題を突きつけられていることがわかる」
国立精神・神経医療研究センターの中川栄ニ医師は、全国の精神科・小児科の医師への調査で600人から回答を得た。「発達障害のある子供への向精神薬投与について、何歳から、どんな薬を、どれだけの量与えているか?」
すると、興奮を抑える薬を3~4歳で与えていた医師、睡眠障害を抑える向精神薬を1~2歳で投与する医師もいた。以下は、回答を寄せた小児神経科医の声。
- 内心ヒヤヒヤしながら処方。
- 重篤な副作用も稀ではない。向精神薬を使い続けることに疑問を感じる。
この結果を受け、中川医師は、子供に対する向精神薬の指針作りにとり組んでいる。
中川氏
「向精神薬が成長過程にある子供の脳に与える長期的な影響については、全く解明されていない。慎重な投与が必要」
今年1月に「精神科の早期治療に反対する会」が発足。現在130人が参加。
児童精神科医の石川憲彦氏
「人間の脳は生れ落ちたときに土台と大枠組みができているが、8歳くらいまでの間に内装をしたりして徐々につくっていく。8歳くらいで形は大人な並みになるわけだが、配線工事などがその後数年間で物凄い勢いで起こる。つまり、そういう途中段階は大人とは違う。そこに起こったことというのも違うので、(成長過程の子供の体への薬の影響を考えると)、これはとても怖いことだと思う」
「薬というのは全部の脳に働く。それから全身に回る。肝臓、心臓、膵臓、腎臓……これらに対する危害は見えないだけに、手遅れということがあるくらいだ」
井上登志子記者
「最近は、発達障害やうつ病などの早期発見、早期の専門的なケアをよしとする考えかたが学校現場や医療の世界にも浸透してきている。文部科学省は、『子どもの異変を見抜くための教師向けの手引き』というものを作成している。地域では、病院の医師が学校の中に入っていって、教師の相談に乗るというとり組みも各地で始まっている。それが周囲の環境が整えられて状況の改善につながるということも勿論あるが、中には不必要な投薬を受けて深刻な副作用に苦しむというケースも出てきている」
国谷
「なぜ今、学校現場から子供たちが医療現場につながりやすくなったのか?」
石川氏
「一つは、発達障害という言葉が拡がり、親も子供も医者も『見逃してはいけない』という意識が強く働くようになった。もう一つは、先生も親も、子供の行動を昔だったら元気がいいとか個性、面白い行動と見たものを、問題行動なんじゃないかという風に悪いほうに見るようになってしまった。先生に余裕がなくなってしまって、医者に任せるほうが楽だと。この傾向は、ここ10年で急速に拡がっていると思う」
向精神薬などにできるだけ頼らずに、子供たちにじっくり向き合うことで問題を解決していこうというとり組みが、教師や医師の間で始まっている。
小児神経科の医師を囲む教師たちの勉強会。
石川氏
「12歳くらいまでの子供は、よほど生命の危険があるとか生活が危ないという数パーセントの人を除けば、ほとんどが実は薬なしで問題を乗り越えていけると考えている」
「長期的な薬の体への影響は、原子力と同じで、10年、20年、30年では済まないほどの問題が調査の中で出てくると思う。それを手がけた研究は非常に少なく、ようやくヨーロッパの一部で危険を警告するような雰囲気は出ているが、確定したものは出ていない」
「薬をやめることはできるが、慎重にやめないと、やめること自体が、精神薬には離脱という怖ろしい反応があるし、薬によっては、てんかんによって命がなくなるということが起こるので、必ず医師と相談する。自分の医者がだめなら、セカンドオピニオンを求めて、それを診てくれる医者に相談する」
「苦しい時期には、物事が否定的にしか見えないし、皆も焦るのだが、そこを冷静に乗り越えてみると、実は問題と見えたことは、その人の能力であったり、個性であったり、素敵な可能性であったりすることって、むしろ多い。いろんな持っていることを障害、問題と見ないで、これは将来へ変わっていくチャンスだ、きっかけになるんだと苦しい時期を捉えて、未来への希望を持つことと、そういう希望を交換できる友達や先生やいろんな人と出会っていくことで……」
「精神障害で、命がそのままでなくなることはない。それによる失望さえなければ、時間がかかっても、必ず希望は待っていると思って、そこは心配しないでいただきたい。どうしても必要なもの、これはやはり薬だけにしか頼れないこともあるが、使うとすれば、最低限、最小期間、できる限り、副作用をしょっちゅう確かめながらやっていくことが必要だと思う」
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