NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観て①
NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観て②
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/06/post-6ac2.html
昨日、NHK・クローズアップ現代「“薬漬けになりたくない”~向精神薬をのむ子ども~」を観た。
1~2歳の赤ん坊に眠剤(番組では、睡眠障害を抑える向精神薬といっていた)を処方する医師がいるとは……。
未成年の薬物開始年齢は、小学校低学年までが7割を超えているそうだ。しかもこれは、子供への治験が難しいことなどから、子供が服用した場合の影響についてはほとんど解明されていず、安全基準がないままというのだから、驚く。
わたしは夜泣きのひどさで、近所でも有名な赤ん坊だったという。幼稚園のときには、何度も脱走劇を演じ、先生がたの手を焼かせる問題児だった。今生まれていたら、わたしも赤ん坊の頃から薬漬けになっていたのだろうか?
小学1年生までそんな風であったが、以後は一転して模範生となり、クラス委員に選ばれる常連になった。ところが、中学1年で膀胱神経症になり、高校生のときに精神科のクリニックを自ら受診した。投薬では治らないと悟り(精神医療の助けなしでも何とかなると思い)、スポーツと読書で切り抜けて現在に至っている。
周囲を騒がせた理由付けは、自分なりにできる。
赤ん坊のときの夜泣きは、両親が共稼ぎのために子守さんを転々とさせられ(父は船員で不在が普通、母は夜勤・当直のある電話交換手だった)、過度な興奮状態に置かれていたためだと思う。
幼稚園のときの脱走は、母を求めての脱走だった。小学生になって模範生になったのは、母を絶えず求めなくても、母は――意味もなく――いなくなったりはしないということが実感としてわかるようになったからだった。
こんな子供らしすぎる子供時代を送る一方では、(過去記事で度々書いてきたように)わたしには神秘主義者としての隠れた認識があったのだから、我ながら不思議だが、むしろそれがあったからこそ、彼の世のすばらしさと灰色のこの世との落差に、戸惑い、ついていけなかったということがあったのかもしれないと思う(ヨガ行者のパラマンサ・ヨガナンダが似たようなことを書いている)。
何にせよ、この世というところにも慣れ、順調に運んでいた小学校生活だったのだが、事件は起きた。子守さん――その頃はももう家政婦さんと呼ぶべきだろう――の息子2人から性的な悪戯を受けるという、大変不幸な事件が起きたのだった。
中学時代の神経症の発病の原因が、これにあるかどうかはわからない。
いずれにしても、わたしは窮地に陥ったところを、医療にではなく、読書に助けられた。
名作といわれるような昔の児童文学作品には、未成年者が遭遇しがちな多くの問題が採り上げられているのだ。そして、そうした問題を乗り越えた先には、それ以前には想像もつかなかったような未来が開けて来るのだという予感を与えてくれる。どんなカウンセリングよりもすばらしいカウンセリングを、わたしは読書を通して受け続けたと思っている。
番組を観て、本当に治療が必要な疾患を持つ患者とそうではない者との区別をうまくつけられない精神科医があまりに多いのではないか、という疑問を覚えた。
薬漬けになるような治療が待つだけだとしたら、早期発見、早期治療にどんな意味があるのだろうか?
薬の多剤、多量投与の背景には、精神科医と製薬会社の癒着、馴れ合いがありはしないか?
学校と医療機関の連携が国の方針で進められるようになった背景には、故河合隼雄の活動があったのではないか?
番組からメモをとったので、②で紹介したい⇒こちら
関連記事
- 2006年6月19日 (月)
精神安定剤の思い出
https://elder.tea-nifty.com/blog/2006/06/post_c69a.html
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