黒いペガサスって……シネマ「タイタンの戦い」にがっかり。
昨夜、テレビで観た『タイタンの戦い』。
『アバター』のサム・ワーシントンは嫌いじゃないけど、華やかな英雄のイメージのペルセウスをわざと地味に描く理由は何なの?
全編、ゴールドに彩られていていいはずが、泥遊び。戦争ごっこ。
アテナから貰うはずの黄金の盾に、ヘルメスから貰うはずの黄金の剣(新月刀)と金色の翼のある靴は? ヘラの黄金の林檎園は?
神話には諸説あるけれど、メドゥーサに生えているはずの真鍮の鱗と真鍮の翼がなくて、ただの蛇体というのは、物哀しい。いくらセミロングの蛇髪がくねったところで、迫力不足だった。
それに、夢のように美しいはずのペガサスが黒って……。雪のように白い体、赤珊瑚のような鼻、黄金の翼、真鍮の蹄、黄金の鬣は?
ペガサスは最終的にはミューズの持ち物になって、霊感の象徴となるのに(これにも別伝がありはするが)、あんな地味なペガサスの霊感では、ありがたみが減ずる気がする。
ペガサスが飛ぶ姿は、まあまあだったけれど。
はっきりいって、不満の残る映画だった。
| 固定リンク
「シネマ」カテゴリの記事
- 映画『インフェルノ』(2016.11.12)
- ティム・バートン監督『ダンボ』(2019.04.28)
- 魔法というにはあまりにも自然で美しい、原作のメアリー・ポピンズ(2019.02.22)
- 神智学の影響を受けたメアリー・ポピンズの生みの親、パメラ・リンドン・トラヴァース(2019.02.18)
- 小泉八雲原作、小林正樹監督作品「怪談」。原田伊織『明治維新という過ち』。(2018.04.10)