たっぷりの珈琲、童話、神秘主義。
最近は倹約のために、インスタントコーヒーを多用しているが、特別に頑張りたいとき、家族との団欒時にはドリップ式コーヒーを入れる。
前はコーヒー豆を買ってきて、手回しのコーヒーミルでガリガリ挽いて淹れたりしていたけれど、いつからかやらなくなった。
また復活させたいなあ。やはり自分で挽いて淹れるほうが、格段に美味しい。
倹約のイデオロギー(?)を全てに及ぼしたのでは、生活が灰色になってしまう。たまには、真珠色とか薔薇色を溶かし込みたい。
幸い、もうずいぶん前にお亡くなりになった神智学の先生が生前と同じように手紙をくださる。彼の世からの高級な手紙は、エレナ・レーリヒがいうような空間にきらめく紫、青、銀色、金色の点として見える。
だから、灰色の生活とはいっても、神秘主義的観点から見れば、リッチな暮らしぶりともいえる。宝石よりも美しい贈り物が空間に届く暮らしというのは。
明日、祐徳稲荷神社に行く予定なので、できればその前に、最近の過去記事でも書いた、わたしが時々感じることのある肉眼では見えない生き物たち――悪戯ものの妖精だか妖怪だか眷族だか知らないが、そんな類のもの――について、神智学の本の用語解説に解説がある。
神秘主義では、想像もつかないくらい昔から、見えない世界についての研究が行われてきたので、わたしの感じるものが何であるかくらいは、とっくにデータベース化(?)されている。東西のあちらこちらの神秘主義組織でなされたデータベース化を総合して、利用しやすくしたのがブラヴァツキーだった。
神秘主義は基本的に個人主義的だから、元々、宣伝とか組織作りは不得手だが、使命感に駆られた有志たちの手によって散発的に文献化されることがある。あくまで、ボランティア。
わたしが創作に興味を惹かれなければ、語学力を身につけて神智学文書の翻訳をやっていただろう。
創作をやってきたことで後悔したことは一度もないが、この世にとってはどちらがよかっただろうか、と考えるとき、ささやかなボランティアで終わったとしても、翻訳を勉強すべきではなかったかと迷いが出る。
創作で世に出ることは考えたより、はるかに困難なことだった。違和感のある色した大きな魚たちがウヨウヨしていて、小さな紫色の魚のわたしは出て行くことができず、藻に潜り込んで様子をうかがっている。
ずいぶん前からわたしのオーラは紫色だ。緑→青→紫と変化した。
神智学の先生のオーラは、お亡くなりになる何年か前にお目にかかったとき、美麗な白色だった。卵型に放射される白色の光を飾るかのように、すばらしい金色の光がリボンさながら取り巻いていた。
わたしは、昔書いた中断中の試作品「あけぼの――邪馬台国物語――」に出てくる卑弥呼のモデルに先生を選んだが、それは卑弥呼を霊媒としてではなく、神秘主義的な人物として描いてみたかったからだった。
文芸の分野で、神秘主義の伝統が最も生きてきたのは児童文学だと思う。だが、日本では違う。日本の児童文学は、宮沢賢治を除けば、全てがとはいわないが、多分にお茶の間劇場だと思う。
それも悪くはないかもしれないが、いささか淋しいものがある(世俗がかったそんなものでは、真の情操の発達にも、この世だけではなく、彼の世でも通用する価値観としても、いささか役不足だろう)。
最も神秘主義の伝統を生かしてきたのは、イギリスの児童文学だと思う(ポッター、ナルニアは鬼子だと思うが)。ブラヴァツキーは世界のあちらこちらに足跡を残した人だが(日本にも)、亡くなったのはイギリスだった。
わたしが神社などでときに存在を感じるものには、いわゆる眷族と呼ばれるものと、その上位に存在する高級霊とがあり、この二つは人間とペットのような違いを感じさせる。眷族は、神智学でいえばエレメンタルに属するものだと思われる。
エレメンタルと、エレメンタルと関係が深いエレメンタリー(カーマ・ルーパ)について、H・P・ブラヴァツキー『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、竜王文庫、昭和62年)の「用語解説」より以下に抜き書きしておきたい。
[引用 ここから]……
エレメンタル(Elemental)
元素の霊。土水火風という四つの自然界または四大元素の中で進化したもの。カバラ学者は少数の高位の自然霊や四大神とそれらを支配する存在達を除き、エレメンタルをノーム(土)、シルフ(風)、サラマンダー(火)、ウィンデーネ(水)に分類する。エレメンタルは精妙な性質の男女というよりも、むしろ自然の力である。オカルティストに従うものとして、エレメンタルの力はいろいろな結果を生み出すこともできる。しかし、エレメンタルがエレメンタリー(カーマ・ルーパ)に使われると、それは霊媒をとりこにし、人をだます。我々の地球圏の第五、六、七界に生まれた、あらゆる目に見えない低級存在は、エレメンタルと呼ばれる。それらには、ぺリ、デーヴァ、ジン、シルヴァン、サチュロス、フォーン、エルフ、ドワーフ、トロール、ノーン、コボルド、ブラウニー、エクシー、コブリン、ピンキー、パンシー、モス・ピープル、ホワイト・レディ、スプーク、フェアリーなど種々の名称がある。
……[引用 ここまで]・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
[引用 ここから]……
カーマ・ルーパ(Kama-rupa,梵)形而上的に言えば、また我々の秘教哲学の観点からすると、物質に関するあらゆる精神的、肉体的欲望と思いによって作られた主観的な形体をいう。この形体は肉体の死後生き残る。死後、七つの本質(または人間の本能と観念作用が順次に働く、感覚と意識の七つの世界と言おう)の中の低級三本質、即ち肉体とそのアストラル原型と生命力は、使用済みとなって地上に残る。それから三つの高級本質は一つの組になってデヴァチャンの状態に入るが、高級自我は新たな化身の時が来るまでデヴァチャン状態にいる。以前の人格我の影は、その新しい住み処であるカーマ・ローカに取り残される。かつて人間であった時のかすかな写しであるこの影は、しばらくの間生き延びるが、その期間は影に残る物質性の要素によって異なり、それは故人の生き方が決定するのである。高級マナス,霊及び肉体感覚器官を奪われているので、この感覚のない殻のままで放置されていれば、それはしだいにしぼんで崩壊してしまう。だが、あとに残された友人達の熱烈な願望や哀訴により、あるいは霊媒行為の中で最も有害なものの一つである降霊術により、無理やり地上に引き戻されると、この「お化け」はその体の本来の寿命をずっと上回る期間生き延びることになるかもしれない。カーマ・ルーパが一たび生きている人間の体に帰る方法を覚えると、それは吸血鬼となり、それと一緒にいたいとしきりに望む人達の生気を奪って生きることになる。インドではこの影をピシャーチャと呼んで非常に恐れる。
……[引用 ここまで]
同じ「用語解説」から簡単に引用すると、サンスクリット語でいうカーマ・ローカとは「我々には主観的で見えない半物質的世界である。これは古代ギリシア人のハデス、エジプト人のアメンティに相当する沈黙の影の国」であり、チベット語でいうデヴァチャンとは「[「幸福のある所」即ち極楽をいう。]地上の化身と化身の間に通過する状態」のこと。
そういえば、昔書いた『萬子姫抄』のアップがまだだった。
祐徳稲荷神社といえば、昔作った下手な俳句がありました。
祐徳稲荷神社 三句
緑陰に尼となりにし万子姫
岩壁に貫きし死や岩清水
夕涼や社(やしろ)を伝ふ裾さばき
※関連記事
- 2011年10月22日 (土)
C.S.ルイスの功罪を問うてみたい気がしている
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/10/post-89ec.html
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