『三銃士』に出てきた白黒斑の馬。nea37……氏からのメール。
前の記事を書いたあと、『三銃士』を観た。飛行船がありえない活躍をするエンターテイメント作品で、三銃士より、そちらが主役格だった。
2Dと3Dのどちらにするかで迷ったが、『アバター』と同レベルの映像を期待することはできないとこれまでに観た3D映画から推測できたので、迷わず2Dにした。3Dだと、夫婦割引が利かないし。夫婦のどちらかが50歳以上の場合、安くなる。うちはどちらも条件を満たしている。
続編を感じさせる終わりかただった。ナンにしても、わたしは馬ばかり見ていた。白黒ぶちのバターカップという名の馬が、綺麗だった。他にも、よさそうな馬が豪華出演していて、わたくし的には人間が邪魔くさいくらいだった。
帰宅してメールボックスを確認したところ、ヘンなメールが届いていた。わたしのエッセー『卑弥呼をめぐる私的考察』を閲覧したnea37……というアドレスからのメールだった。
「神功皇后は実在説があります。卑弥呼のほうが架空だという説もあります。はっきり言って貴方の記述は不快です。訂正してください。」という全文。
この文面はどこかおかしいが、おかしさの原因を探るために、卑弥呼と神功皇后を入れ替えてみよう。
「卑弥呼は実在説があります。神功皇后のほうが架空だという説もあります。はっきり言って貴方の記述は不快です。訂正してください。」
こうなると、なおおかしい。卑弥呼については中国の歴史書に記述があり、神功皇后については記紀に記述がある。記紀は神話および歴史書の性格を持つ。記紀は歴史書というだけではなく、神話の性格をも持つがゆえに、実在が疑われたりもするのだ。
前掲のメールのあと、次いで「Wikipediaを見てくれ、実在説も有るから」という全文のメールも届いていた。
実在説がある、という表現自体が、(現代では)むしろ実在説のほうが少数派で、認知度も低いことを示しているように思われる。Wikipediaを見てくれ、と注意を呼びかけなければならないほどに。
神功皇后はスーパーウーマンであるが、戦前には戦前の思想のありかたの中で実在していた。意識改革のなされたこの戦後に、神功皇后の実在を明快に主張する論文があるのであれば、わたしは読んでみたい。
nea37……氏は、神功皇后に関する論文をお書きになってみては如何だろう? それとも既にお書きになっているのだろうか?
四百字詰原稿用紙30枚以上の読みごたえのある論文であれば、拝読したいので、お送りいただければと思う。創作で忙しいので、感想の返信はできないかもしれないが。
わたしのエッセーは何年も前に同人誌に掲載された作品なので、誰にどういわれようが、今更本文を書き改めることは考えていない。
今後、時代錯誤として無視するわけにはいかないような神功皇后実在説があらわれれば、追記として、それについて紹介するかもしれないが、時間が経てば、歴史認識が変化してしまうことも珍しくないので、卑弥呼について今後何か書くとすれば、昔書いたエッセーを書き直すよりは、新しいエッセーとして書くだろう。
『卑弥呼をめぐる私的考察』は、「邪馬台国」という雑誌を発行している出版社の、当時の女社長さんが気に入ってくださり、雑誌に載せようとしてくださったが、編集者の編集方針と合わなかったため実現を見ず、残念だったことを思い出した。
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