賞狙い不適格人間
以前はジャンルが違ったが、前の記事に書いたようなプランにそって、ひたすら書き、その結果としてのほぼ当然の無報酬(確率だけからいっても、そのほうが自然である)、紙屑と同等の価値と化す大量の原稿、無駄に過ぎ去る歳月……次第に心身が蝕まれないほうがどうかしている。
賞の本質はどう理想化したところで、ギャンブルだという思いに変わりはない。
せめてもの近道は、そのジャンルと関係を持つ組織、サークルと縁をつくることだろうが……うーん。
ほぼわかりきった結果を想像すると、落ちる前から、いや、応募すらしないうちから鬱々としてくるときがある。それでも、書いているときは幸福だ。文学が心底好きなので、体は壊しても、無事にやって来られたのではないかと思う。
わたしの創作のスタートは中1で、詩と童話とジュニア小説が同時だった。ジュニアなのにジュニア小説を書くというのは可笑しいが、まあ書く真似事だったといおうか。
童謡の歌詞も久しぶりに書いてみたいと思っている。中学の頃だったか、高校の頃だったかはよく覚えていないが、白秋、西條八十、サトウハチローに心酔した。白秋にはすっかり惚れてしまい、大学時代に2回も柳川を訪ねた。その頃書いた歌詞が九州芸術祭のふるさとの歌のコンクールで選ばれ、曲をつけていただいたときは嬉しかった。
ずっと書いていない。また書けるだろうか。
純文学を長くやってきて、この先も気が向けば書くだろうが、最近わたしは純文学には向いていない気がしてきた。
男にも女にもなんだかうんざりして、元々動物のほうが人間より好きだし、大人よりは子供、子供よりは赤ん坊のほうが好き。赤ん坊よりは死者のほうが好きだ。お化けが好きという意味ではない。お化けの逆の、彼の世の美に同化した死者が好きという意味だ。
過去記事で、妖怪や妖精といった類のものが存在すると考えざるをえないと書いた。まだそれを書いたことはないので、童話で書いてみたいと考えている。
自分が書きたいものしか書けないので、賞応募には適性がないとつくづく思う。現状が、ただ書くだけというのを許さないので、賞狙いを再開したものの、同じ結果になるのは目に見えている。
今月末に締切の賞に応募する予定の作品はまだ仕上がっていない。娘に読んで貰うと、神話から借りてきた動物と主人公の少年を気に入ってくれた。岩波少年文庫にまじっていてもおかしくないと思う、などといってくれる(こんな傲岸不遜なことを書いてごめんなさい)。お世辞かもしれないが、娘は気に入らないと全く受けつけないほうなので、嬉しい。
ところで、おかしなことに、作品を仕上げたいのか、仕上げたくないのか、自分でもわからなくなってきた。書き上げてしまったら、自分が書いた神秘的な動物と別れなくてはならない気がして。こんなことで賞狙いができるのだろうか。甚だ疑問だ。でも、ちゃんと仕上げます。
落ち込んだ理由はこちら⇒https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/10/post-1860.html
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