浮上した新しい作品(童話)のプラン
毎日、児童文学作品を書く暮らしはつらくも楽しい。わたしにとっては、純文学作品を書くよりも精神衛生上いいような気がする。
今の文学界の傾向に合わないものを感じるという以前に、ほぼ人間と人間社会をのみ意識した創作のありかたというものに、ほとほと疲れていたんじゃないかと思う。
この世界には動植物以外にも、いわゆる妖精、妖怪の類が人間と関わりながら実在していると感じているので(感じざるをえないので)、人間のみ近視眼的に意識した生きかたに、おぞましいものをさえ感じるのだ。
馬との出合いから、よけいにそう思うようになった気がする。あの独特な静謐なムード。
今書いている作品が折り返し点(?)に来たせいか、ふいに次の作品の輪郭が見えてきた。今度はまだどの賞にということは考えていないが、おそらく30枚から精々50枚くらいの短編になると思う。
11月は持ち込み計画の『不思議な接着剤』を進める予定だが、その合間にこの短編を短期間で仕上げたい。
前に、生検のために頭蓋骨の手術をして貰ったとき、局所麻酔だったため、ドリルやノミが使われたその手術中、実にわたしは不思議な気持ちを味わった。工事中の建物の気持ちがわかる気がしたのだった。嫌な手術だったが、作品のモチーフをもたらしてくれたという点ではよかった。とはいえ、今も残る頭の窪みは高くつきすぎた。
いや、これは奇想天外な空想にすぎないが、もし建物に意識があるとすれば、こんな風だろう、と感じるところがあったとでもいおうか。
これは童話に使えるエッセンスを含んでいると当時から思っていた。
賞に応募するかもしれないのでこれ以上は書けない。まあ、新しい作品のプランが早くも浮上したというわけで、今年から来年にかけては賞狙いに徹するため、賞に合わせて、どの年齢の読者を対象にするかなど、決めたいと考えている。枚数は、長くすることもできそう。
しかし、まずは今の作品を今月いっぱいで仕上げることに全力を注ぎたい。今日取り組む箇所はまたまた難所だから、3枚から5枚も書ければいい。悪役を2人も出さなくてはならない。しかも、このノッポとチビ2人の悪人をあんな目に遭わさなくてはならないというのはいささか……嵐の中で……。他人事と割り切らなくちゃ、書けないわね。
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