児童文学作品P 24)3枚追加で、現在103枚。
参考文献、梗概に要する2枚を加えれば、あと15枚。続編につなげる試みをさりげなく挿入ようという目論見にこだわらなければ、最悪このままでもいける。これまでのぶんの校正は今日もかなりやった。やればやるほど間違いが出てくる現象は相変わらず。もちろん、まだホッとするにはほど遠い。終わりかたは大事だから。
しかし、このこととは別に、作品が完成に近づくにつれ、わたしの考えるよいものに仕上げようとすればするほど、賞からは遠のきそうな虚しい予感がどうしても大きくなっていく。とりあえず、過去の受賞例に倣って、軽いタイトルに替えてはみたものの、中身は変えられない。
資本主義社会も末期の爛熟ぶりを示し、いわゆる魔女系と呼ばれる子供の読み物のなかに宮沢賢治の作品が埋もれたりしているのを見ると、ため息が出てしまう。昔、神智学の集まりで、宮沢賢治が神智学の影響を受けているという話を聴いたことがある。確認していないので、おおっぴらにはいえないが、あの作風からすると、ありうると思う。
魔女がカタリ派を起源としているらしいことは、中断中の児童文学作品『不思議な接着剤』のための資料を集める段階で知り、これ自体が一つの研究になってしまったが(いずれ、『卑弥呼をめぐる私的考察』のようなエッセーにまとめたい)、何だか哀しい。
大人の物、子供の物を問わず、純粋に純文系の文学を志している人々はわたしだけではないはずで、皆、茨の道をあゆんでいるに違いない。
何も、自分の作品をうぬぼれているわけではなく(まだ修業中との自覚はある)、目指す作家がいないわびしさを思うわけなのだ。種のことなる動物の群れの中に、仲間にしてくださいと入って行こうとしている自身の無謀さも省みられるとはいえ、貧乏なので賞狙いしか世に出る手段が見つからない。
何にしても、ようやく本にしたい作品が出来つつある。賞狙いの怖さは、自分なりにまとまった呼吸している世界を、賞ほしさのあまり、解体して殺したり、改悪したりして滅茶苦茶にしてしまうことだ。
純文系で賞狙いをしていたとき、わたしはそれをやってしまい、結果、本にしたいと思う作品がないといってよい。何とか読めるかな、と思えるものをサイドバーにつけてはいるけれど……。何だか支離滅裂なシロモノが沢山残る結果となった。
死後に世に出ることに一縷の望みを託すとしたら、これをやってはいけない。
このPだけは、落選しようとしまいと、大事にしなければと思っている(まあ現段階では。わたしは貧乏に弱いから、自信がない)。
ところで、乗馬を体験しなかったとしたら、Pは全然違った作品になっていただろうと思うと、怖い。それを思えば、やはりラングドッグを取材して『不思議な接着剤』を進めたいという思いが強まる。世に出たい焦りから、賞向きの短さに完成させてしまおうか、などとも考えたりしていたけれど。それは、やりたくないなあ。
疲れきってしまったが、これから夕飯づくり。牡蠣チリ。もう少しだから、気を抜かずに頑張ろう。
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