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2011年7月28日 (木)

お財布の課題

 過日、間もなく定年退職を迎える夫の送別会があった。来月に入ってからもある。その送別会で夫は豪華な花束を二つ、また商品券などの贈り物と共にお財布をいただいた。息子からもお財布の贈り物があったので、夫は当分お財布には不自由しないだろう。

 課題は、そのお財布に入れるお金を如何にして得るかだ。

 企業年金などのある大企業勤めの定年退職後は薔薇色かもしれないが、中小企業勤めの人間には厳しい老後の待っていることが多いと思う。

 夫の友人は保険関係に勤め、早期退職して代理店をしていた。その代理店がもう一つだったということもあり、そこを閉じ、自宅を売った資金をもとに、ちょっとしたお店を開くつもりでいた。

 ところが、いわゆる新興住宅街――新興住宅ブームどきに開発されたその地域は、現在では寂れた住宅街といっていいかもしれない――にある一戸建てが売れない。仕方がないので再就職を求めるも、50社受けて空振りだったという。

 しばらく、コンビニに卸すお弁当のご飯を炊く会社で働いていたところ、巨大な釜を持ち上げなければならないなどの重労働にめげ、やめたそうだ。何とかやっているそうだが、「年寄りには、汚い、きつい仕事しかないよ」といっていたとか。

 あんまりきつい職場には行かせられない。キャリアを生かせるところで働ければ、それがベスト……とはいえ、難しいのかなあ。

 夫の会社は、定年退職した人間を原則としてアルバイトなどでも雇わないことになっている。ただ、それは明文化された規定というわけではないので、ほとぼりがさめて(?)から雇われる人もちらほらいるようだ。

 夫にも「ぜひ来てほしい」といってくださるところがあり、示された待遇はアルバイトにしては恵まれたものだが、それは確定的なものではない。実際に同じようなケースでふいになった例をわたしたちは知っている。

 ほとぼりがさめた頃――おおよそ12月以降――に首尾よく事が運ぶかどうかは、神のみぞ知るなのだ。当てにしすぎず、他方ではしっかり就活をする必要があるわねと昨夜夫婦間で話したところだった。

 昨日の昼間は、団体保険の一つについて、今後どうするかの問い合わせが夫にあった。保険も、今後は必要最小限のものだけに絞ることになる。問い合わせがあったぶんについては解約することになるが、これは払い戻し金のある保険だ。

 それをどうするかの問い合わせだったという。払い戻しを受けたければ、来年3月までの分を一括して支払う必要があるのだが、そうしない場合のほうが損が大きいので、支払うことにする。来年のその頃といえば、税金が……その足しになるだろう。

 こうやって一つ一つ、企業によって保護されたり優遇されたりしていた、いわばセーフティー・ネット的なものが解かれてゆく。 

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