今日の国会中継(衆院予算委2011.7.6)……店晒しになっていた津波対策法案
衆参のホームページに行けば、録画をあとでゆっくり視聴できるが、なかなかその時間がとれないので、視聴中、印象に残った質疑をメモ。結局、自公の質疑しか視聴できなかった。内容の是非は別として、自民は与党として長く政権を担っていただけのことはあると思わせる実際的な質問を行うケースが多いので、なるべくチェックするようにしている。
視聴できた部分から受けた感想は、菅政権はもはや政権の体をなしていないということだった。辞めるつもりは全くないようだが。それにしても、赤沢亮正氏の質疑中のチリ地震・津波に関する菅首相のずれた応答には、本当にドキッとさせられた。
自民:石原伸晃
- 阪神淡路大震災のときの復興法案の焼き直しではだめだといってきたのに、焼き直しにすぎない。
- 復興担当大臣を決めるように震災後2日目からいってきたのに、108日かかっている(阪神淡路大震災のときは3日で決まった)。
- 津波対策法案は1年前にわが党が出していた。それがようやく通過した。
- ガレキ処理は3割しか進んでいない。放射線廃棄物はそのまま(2ヶ月ブルーシートをかけたままの校庭の写真)。
- 二重ローン問題。
- 政治献金問題(時間がないので、引き続き参院で)。
自民:石破茂(石原の関連質問)
- 復興の遅れについて、大臣の増員に応じなかった自民が悪いといったが、何の大臣を増やしたいという国対(国会対策委員会)に申し出はなかった。
- 復興のための連立などはありえない。なぜなら、政策一致、政策協議なく、連立を持ちかけるのは憲法違反だからだ。
- 我々は不眠不休で被災地に入り、577項目の提言をしてきたが、あなたがたは何も関わってこなかった。
- 内閣はあなたの私物ではない。自己満足のためにあるのではない。政治は結果責任。内閣が動くかどうかは現象を見ればわかる。求心力がない。
- 将来が不安だから、民間がお金を使えない。今やることは、復興債を大きく出すこと。このままだと、デフレが進む。三次補正はどうなるのか。税と社会保障の一体改革は構造の問題だから、復興とは切り離して別に考えるべき。
- 原子力賠償で、東電が免責されないのはなぜか? 予見可能であったから。もし原発事故が起きたらどれくらいの損害が出るか、というレポートが昭和34年に出ていた。自戒をこめていうことだが、逃げるな、曖昧にするな……
- 普天間問題。
自民:塩崎恭久(石原の関連質問)=原発立地圏の代議士
- 公務員制度改革について。
- 脱原発の話もどうなったのかわからない。
定期検査後の再開問題。再開できなければ経済的損害は大きいが、安全も必要。
塩「海江田経産相の再稼働へのお願いは、総理に報告したのか?」
海相「事前にはしていない」
塩「今や広く有名となった『安全宣言』について、総理は関与していないということか。こんなことは、考えられない」
海相「報告についての評価をやっている。総理との間で意見交換をしている」
塩「佐賀県知事にあなたは『総理にはうまくやってくれ、ということで、任されている』とおっしゃった。うまくやるとはどういうことか、総理」
菅総「ストレステストをパスしてから、原発の運転再開を……〔以下省略〕」
塩「質問とは関係のない発言だ。まる投げということがよくわかった。福島の原発はまだ安定していない。54基全部の安全基準の見直しが必要だ。これから仕組みをつくろうというのでは、遅い。国による新しい安全基準を確立することが再開の条件。今後の制度は徹底的に議論しなくてはだめだ」 - 原子力損害賠償問題。
今のスキームでいくと、法治国家としての責任が果たせない。
午前中はここまで。午後の視聴は残念ながら断片的。
自民:赤沢亮正(石原の関連質問)
- 運転再開についての政府的統一見解を示せ、といっているのに、今からルールをつくるという。
- 津波対策法案が店晒しになっていなければ、今回の被害は遥かに少なかったと思う。
平野復興相がこの法案について知っていたかどうかの質疑――知らなかった。
赤「津波対策法案の存在すら知らなかった平野氏は、災害の専門家でも何でもないじゃないか」
平野相「想定外の災害だった。法案の成立が遅れたことについては批判があるだろうが、前向きで取り組みたい」
赤「9ヶ月前に法案が通っていたら、4ヶ月前に国民規模で津波対策の訓練をやっていたはず。想定外、想定外というが、自公は想定していた。チリ地震・津波で危機意識を覚えた。だから、9ヶ月前に法案を出していたのだ。我々は泣く思いだ。法案の店晒しについて、総理はしらなかったのか」
菅総「知らなかった。先見性の高い法律ということで、成立したことについては尊重していきたい。学生時代にヒッチハイクして被害の痕を見、チリ地震・津波の凄まじさに驚いた」
赤「ようやく20日前に成立した。法案の意味を噛み締めて、有効に活用してほしい。今この瞬間にも津波が来るかもしれないのだから」
菅総「でも、チリ地震が起きたのは60数年前で」
赤「2010年にチリ地震・津波が発生した。去年のことだ。そのときの被害によって、我々は危機意識を持ったのだ」
菅総「学生の頃にヒッチハイクをして被害の痕を見たのが40年前ということで……」
公明:高木美智代
- 被災地の人間が陳情にいっても通らない。民主議員も頼りにならないと被災地の人々はいう。
- 再生可能エネルギーの利用を促進するため、固定価格での買取というが、原子力損害賠償のスキームができない限り、電力会社は固定価格での買取も無理。
「ニュース7」では、菅首相が原発のストレステストについて話す場面をとり出して最大限に利用していた。ストレステストの重要さとは別の問題が持ち上がっているときのずれた回答であろうとなかろうとお構いなしだ。
そして、再生可能エネルギーへの菅首相の意欲をつけ加え、あたかも脱原発の救世主のように演出していた。原子力損害賠償のスキーム(計画、企画)ができない限り、電力会社に電力の固定価格買取は無理であるし、このままでいくと結局は電気料金の値上げになって国民負担になるという危惧を野党が示したのだが、それについてもニュースは掠りもしなかった。暴言で辞めた松本元復興相を思い出すと、メディアにどんな圧力がかかっているのだろうと疑ってしまう。
菅首相のボケを誰か止めてほしい(わが父親ではないが、ボケはとまりにくいのだ)。復興の遅れに留まらず、日本が頭から腐っていく……
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