Notes:不思議な接着剤 #72 ①プリニウスの『博物誌』
Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。
#72
2011/3/8(Tue) ①プリニウスの『博物誌』
児童文学作品『不思議な接着剤』を書いているうちに、イエスの時代について自分で自覚した以上のお勉強になったみたいで、このあたりのことを書いたブラヴァツキーの『アイシス…』がすらすら読めるのは嬉しい!(勿論、奇特な会員のかたが邦訳してくださっているものを)
昨夜、久々に『神智学の鍵』を紐解いてみたが、以前集中して読んだときには、テーマの背景となっている思想史については、ぼんやりとしかわからなかった。昨夜はそれが、まあ理解度はともかく、本が生きているみたいに感じられる悦びがあった。
ヨセフスの『ユダヤ古代誌』は目から鱗だった。購入してよかった(しみじみ)。何しろヨセフスはイエスと同時代のユダヤ人で、ローマに投降した。イエスが説教に回った辺りも彼の行動範囲内だった。
ブラヴァツキーはイエスの時代を分析するのに、このヨセフス、プリニウス『博物誌』に結構頼っている。
女巨人ですらそうなんだ! 何たる喜悦。プリニウスの『博物誌』、図書館にあるかしら。ざっとでも、目を通さなくてはならない。そうしたら、女巨人にまた一歩近づける。
旧約聖書、カバラの知識は必要だが、旧約はともかく、カバラはわたしには難しくてちんぷんかんぷんだ。カバラには相当にいろんなもの……多彩な古代思想のエッセンスといってよいから、いつか、しっかり取り組む必要はあるけれど。
ギリシア悲劇は大学時代に読んでいてよかった。イエスの時代を知るには、バッカス、オルフェウスの宗教なども知っておく必要があったわけだ。ムード的なものを捉えるのに役立つ。
ブラヴァツキーのリサーチによれば、ナザレ派もナザールたち(預言者たち)も、反バッカス階級を成していたという。思想史は流れている川のようなものであることを忘れ、バッカスやオルフェウスの信仰といったものはギリシアのあの時代だけのことのようについ思ってしまう。グノーシスだって、いきなり出てくるはずがないのに、2、3世紀頃に突然変異的に出て来たように思ってしまう(アカデミックな世界は案外そんなことをいうが)。
ざっと見ただけでも、この時代を鳥瞰するのにブラヴァツキーは資料として、前掲のヨセフス『古代誌』、プリニウス『博物誌』、ユダヤ教の聖典『タルムード』、イギリスの神学者ライトフットの著書、『創世記』、『士師記』、プロティノスの弟子ポルピュリオス『ピタゴラス伝』、『エズラ記』、ゾロアスター教の聖典『アヴェスタ』、アーリア民族の『ヴェーダ』、『民数記』、『出エジプト記』、『ミカ書』、『詩篇』、『セプトゥラギンタ(七十人訳聖書)』、『マタイ伝』、グノーシス派のキリスト教哲学者バルデサネスを創始者とする一派であるバルデサネス派の著書『コーデス・ナザレウス』、『ホセア書』、『ヨハネ伝』、『民数記』、『ルカ伝』、カトリック教会の学僧でラテン語聖書の完成者である聖ジェローム『ソード』、ブレラーの著書、ダンラップ『ソード・密儀等』、ヨセフス『ユダヤ戦記』、、『使徒行伝』、『ヨハネの黙示緑』、ポルビュオス『歴史』、『列王紀上下』、ジェローム『書簡集』、キング『グノーシス派』、ムンク『パレスチナ』……
が、これ以上の深入りは時間を食い過ぎる。今のわたしの頭脳じゃ、女巨人の足跡をほんの少し辿るだけで精一杯(それだけでも嬉しい)。ほどほどにして作品を進めよう。
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