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2011年2月19日 (土)

村上春樹の本をアメリカ一売った書店チェーン、ボーダーズの経営破綻

米書店2位が経営破綻 電子書籍に押される(日テレNEWS24)

< 2011年2月17日 13:47 >

 経営難に陥っていたアメリカの書店チェーン第2位の「ボーダーズ」が16日、経営破綻した。

 ボーダーズは71年に創業し、全米で巨大店舗を展開するなど急成長してきた。しかし、アメリカで爆発的に普及している電子書籍やインターネットによる書籍販売に押され、ここ数年は大きく業績が悪化していた。

 今後は、全体の3割にあたる200店舗を閉鎖するなど大規模なリストラを実施し、経営の立て直しを図る。

 娘は書店勤めなので、上に紹介したような書店の倒産のニュース、しかもそれがチェーン型の書店のとなると、対岸の火事では済まされない怖さを覚える。

 娘は同僚とも、その話題になったという。同僚の男性はまず、日本とアメリカにおける出版流通の違いを指摘したとか。

 日本の出版流通の特徴として、出版社が定価を決定し小売書店などに定価販売を義務づけることのできる再販制度と、出版社が取次店を通じて書店に返品条件付で本の販売を委託する委託販売が挙げられるようだ。

 アメリカは再販制度を採用していない。ちなみにウィキペディアによると、

 再販制度が採用されていない国は、アメリカ(1975年廃止)、カナダ、イギリス、アイルランド、イタリア、ベルギー、ルクセンブルク、スウェーデン(1970年廃止)、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国。

 再販行為を容認している主要国は、フランス(書籍=時限再販2年、値幅再販5%)、ドイツ(書籍・雑誌・新聞=時限再販)、ノルウェー(書籍)、オランダ(書籍・雑誌)、デンマーク(書籍・雑誌)、オーストリア(書籍・雑誌・新聞)、日本(書籍・雑誌・新聞・音楽)。

 ボーダーズがどんな書店であったかがわかる記事を発見した。以下がアドレス。

 この記事に、ボーダーズが「アメリカでいちばん多く村上春樹を売った書店チェーン」とあった。

 記事によると、ボーダーズも、第1位のバーンズ&ノーブルも、「大学街の生協みたいな本屋さんから出発した」のだそうだ。ボーダーズはそのムードを残した店作りをしていたという。以下は記事からの抜粋。

本にしても長年のファンがいるような作家のハードカバーよりは、翻訳ものを含めたちょっとマイナーな作家のトレード・ペーパーバックを中心に(アメリカでいちばん多く村上春樹を売ったのはバーンズ&ノーブルじゃなくてボーダーズ)。そして近年は、マンガの棚がいちばん面白くて充実していたのも実はボーダーズだった。

 この記事を読めば、ボーダーズがどんな書店だったかが伝わってくる。

 また、取次店にかんする興味深い記事のアドレスを以下に紹介しておきたい。

 出版流通について少し調べてみただけでも複雑で、そこから浮かび上がってくる問題点もわたしが理解するには難しいが、最近、ポプラ社から出ている「百年文庫」に夢中になって改めてわかったことは、紙でできた本の魅力だった。

 本の前途にどうかミューズの加護がありますように、と祈らずにはいられない。 

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