NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」第2回『父の仇』
第2回の感想を記事にしていなかったので、ざっと。
天正7年(1579年)、市が浅井三姉妹と共に、伊勢上野城の織田信包のもとに身を寄せていたときのお話。
※天正元年(1573年)生まれの江は、6歳であることに注意。このときの浅井三姉妹を宮沢りえ、水川あさみ、上野樹里が演じたのだから、お笑いめいた回とならざるをえなかった。丈の短い着物は、子供らしさの表現だったのだろうか?
三姉妹は海で遊んだり、織田信長の安土城へ天守閣を見物に出かけたりする。
天守閣では、森兄弟が三姉妹の案内役を務めてくれた。森兄弟のイケメンぶりにオバサンはうっとりしてしまったが、初も相当にうっとりしていた。
謁見の間には、織田家の重臣たちが顔を揃えていた。徳川家康、柴田勝家もいた。信長が登場し、市はわざとらしく信長不信をあらわにする(なぜ、見物にきたのかな?)が、このときはまだ信長が父の仇とは知らない江は、無邪気に信長にうっとり。
そこへ秀吉が戦の途中で戻って来た。そのことが信長の怒りに触れ、信長は秀吉を殴る(ただの暴力っぽい殴りかた)。市がいることに気づいた秀吉は長政を追い詰めたことを謝罪。
そのあと、江は、母の市から父長政の死の真相を聴かされる。初は、比叡山焼き討ちの件や髑髏盃のことまで話す。その夜、姉妹は修学旅行のようなムードで一室に就寝。
部屋を抜け出した江は、家康と秀吉がお酒を飲んでいるところへ忍び寄り、秀吉を殴る、殴る……。家康は、討つか討たれるかが戦だと諭す。江は天守閣にいる信長に一人で会いに行く。
槍が突き出て出迎えるが、江の問いかけに対して、信長は講師のように説明する。江の父長政を追い詰めたのは、それが戦だから。が、長政は「たぐいまれな武将であった」、信長のほうが自害していてもおかしくなかったそうで……。比叡山焼き討ちの理由も解説。そして、彼は、己しか信じないという。
さらに、髑髏盃についても江は尋ね、信長はそれに対して丁寧に解説。「長政殿のしゃれこうべを、わしははくだみにさせた。しかし、それは亡くなりし者への礼節としてじゃ」だそう。
ちなみに、はくだみとは、ウィキペディアによると、薄濃のことで、漆塗りに金粉を施すこととあった。信長の解説に、深く納得する江。金色に装飾されたピッカピカの髑髏が三つ、並んでいた。
江は信長が許せないと主張。その江の心根を褒める信長。そこへ、白装束に身をかためた茶々と初が現われ、父の仇、と短刀を構える。次いで市が「何の騒ぎじゃ」とおいらかに登場。
信長が三姉妹を面白い娘たちだと褒めると、市は、娘たちに見処があるとしたら、それは長政の娘ゆえでしょうという。納得する信長。そのあと市が、女にとっての戦論をぶつ。
ああ疲れたっ! こんなストーリーってあり? 信じられない。
作者は当世風に物事を解釈して、すっきりしたのかもしれないが、それに狂言回しとして使われた歴史的人物こそ、いい迷惑だっただろう。ストーリーが稚拙だと、役者まで間が抜けて見える。学芸会みたいだった。もう第3回は観ないかも……。j.
関連記事:
- 2011年1月11日 (火)
NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」第1回『湖国の姫』
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/01/nhk---2e1b.html - 2011年1月13日 (木)
NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」のお江に見る育児問題
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/01/nhk-2bed.html - 2011年1月24日 (月)
NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』第3回『信長の秘密』
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/01/nhk3-6ffc.html - 2011年2月 8日 (火)
NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』第5回「本能寺の変」
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/02/10-4871.html - 2011年2月15日 (火)
NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』第6回「光秀の天下」
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/02/nhk6-baaa.html
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 芸術の都ウィーンで開催中の展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の実態が白日の下に晒され、外務省が公認撤回(2019.11.07)
- あいちトリエンナーレと同系のイベント「ジャパン・アンリミテッド」。ツイッターからの訴えが国会議員、外務省を動かす。(2019.10.30)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その17。同意企のイベントが、今度はオーストリアで。(2019.10.29)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その16。閉幕と疑われる統一教会の関与、今度は広島で。(2019.10.25)
- 天も祝福した「即位礼正殿の儀」。天皇という存在の本質をついた、石平氏の秀逸な論考。(2019.10.23)
「歴史」カテゴリの記事
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ④(2021.01.28)
- バイデン新大統領の就任式とマーシャルレポート(2021.01.22)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ③(2021.01.20)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ②(2021.01.18)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ① (2021.01.17)
「テレビ」カテゴリの記事
- バイデン新大統領の就任式とマーシャルレポート(2021.01.22)
- 日本学術会議について(衆院予算委員会)(2020.11.03)
- 安倍首相の退陣(2020.08.31)
- カルロス・ゴーンの逃亡劇と法務省記者会見。イラン情勢と海自派遣問題。可愛いシベリアンハスキーの遠吠え。(2020.01.11)
- 天も祝福した「即位礼正殿の儀」。天皇という存在の本質をついた、石平氏の秀逸な論考。(2019.10.23)