美味しそうなカッフェのお話『バリスタ』(むろなが供未、原作・花形怜、芳文社)
お客さんの注文したコミックに美味しそうなコーヒーの絵があったから……と、書店員の娘が買ってきた。
娘がお客さんに釣られて本を買ってくることは結構あり、まるでミイラとりがミイラ。その恩恵を一番受けているのはわたしか。
イタリアのバール(コーヒー店)で8年間、バリスタ(カッフェを淹れる専門職)の修業を積んだ人物が、バールによる世界征服を目論むエルジオ・ソーラ社に引き抜かれて帰国するところから物語が展開する。
ひと頃流行ったシェフ物、パティシエ物、ソムリエ物の類で、〇〇道を究めようとする人物の物語だから、専門知識がそれとなく散りばめられ、美味しそうな気分にさせて貰えたらまあ満足……と思いながら読み始めた。
主人公はラッテ(牛乳)のように柔和で素直。主人公に癖がないことで、本当の主人公がカッフェだということがわかる人物設定だ。
そのカッフェに生きる人物、蒼井香樹が冒頭に近い部分で日本人観光客に淹れてやるラッテ・マッキアートの美味しそうなこと。紙のただの白い部分が何て美味しそうなミルクに見えてしまうことだろう!
素朴な絵ながら、真の主人公カッフェにはスポットライトがしっかりと当てられていて、美味しそうに描かれている。
素朴な絵ながら、真の主人公カッフェにはスポットライトがしっかりと当てられていて、美味しそうに描かれている。
ストーリーより何より、そのことに満足して読み終わったあと、レモンティーを作って飲んだわたしって……?
原作者の花形怜にはチーズのお話もあるようだ。『バリスタ』の続きと共に読んでみたい。
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