Notes:不思議な接着剤 #69 モーセの育った古代エジプト/古代エジプトの巫女 #2
Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。
#69
2010/11/21(Sun) モーセの育った古代エジプト/古代エジプトの巫女 #2
オンム・セティについて詳しく解説する余裕のないままだが、とりあえず以下にメモしておきたい。
オンム・セティが自殺した古代エジプトの巫女だったことは、当人の自覚通り、おそらく間違いないところだろう。
前世の彼女は、セティ1世時代の巫女で、セティ1世と愛し合ったために自殺に追い込まれたという。
彼女は巫女だった頃の記憶と物質化して現れたセティ1世の幽霊から教わったことによって、考古学界に少なからぬ貢献をした。
そのことは否定できない。ただわたしをやりきれない気持ちにさせたのは、彼女のあくまで前世という過去に執着してそこにのみ生きたがる傾向と、セティ1世との関わりかただった。
セティ1世といえば、軍人王ラムセス1世の子で、エジプトの歴代王の中でも名君の一人に数えられているファラオであり、建築王ラムセス2世の父だ。この頃は、多神教の伝統を廃し、アテン神を唯一神とするアマルナ改革を起こしたアクエンアテンのこともまだ記憶に新しかっただろう(この改革にモーセが何らかの形で関係があるのかないのか?)。
セティ1世はオンム・セティに、物質化の技術を神殿で教わったと語る。
古代エジプトの叡智が、恋人たちをカーマ・ローカすなわち黄泉、幽界の意識レベルに留めることにしか役立たなかったのだとしたら、その叡智はあまりにも虚しい、無意味な、むしろ有害なものにすぎなくなる。
しかしこれはオンム・セティの独演にすぎない可能性もある。彼女が霊媒だった場合だ(この場合、転生者としての記憶のあるなしは関係がない)。
彼女はセティ1世の魂の抜け殻を、彼の魂と思いこんでいるのではないだろうか?
その根拠としては、彼女のもとに現れるセティ1世が、ただひたすらカーマ・ローカをさまよっている無能力者に見えるということだ。
霊媒は魂の殻を惹きつけて、自分に都合のよい存在に仕立て上げる。殻であっても、魂の名残と幾ばくかの記憶を留めているものなのだ。
神智学的にいうと、オンム・セティは霊媒で、セティ1世の魂の抜け殻をカーマ・ローカからこの世に引っ張り下ろした。いわゆる降霊術の類で、こうした自然法則を妨げる無知な行いは、死者にとっても霊媒当人にとっても有害な行為であるといわれている。
同じ物質化に見えても、スリ・ユクテスワァの特別な場合と比較してみると、この二つが別物であることがわかる。以下の記事を参照。
2009年12月19日 (土)
Notes:不思議な接着剤 #34/ペテロとパウロについての私的疑問/『マリヤによる福音書』についての私的考察#1
https://elder.tea-nifty.com/blog/2009/12/notes347-68b3.html
何にしても、アクエンアテンとクフ王についてオンム・セティが語った箇所は興味深い。前掲書より抜き書きしておきたい。
ブラヴァツキー『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ)の用語解説より引いておきたい用語⇒カーマ・ローカ。物質化。

| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 日本色がない無残な東京オリンピック、芥川賞、医学界(またもや鹿先生のYouTube動画が削除対象に)。(2021.07.20)
- 芸術の都ウィーンで開催中の展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の実態が白日の下に晒され、外務省が公認撤回(2019.11.07)
- あいちトリエンナーレと同系のイベント「ジャパン・アンリミテッド」。ツイッターからの訴えが国会議員、外務省を動かす。(2019.10.30)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その17。同意企のイベントが、今度はオーストリアで。(2019.10.29)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その16。閉幕と疑われる統一教会の関与、今度は広島で。(2019.10.25)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 新型コロナはヘビ中毒で、レムデジビルはコブラの毒ですって? コロナパンデミックは宗教戦争ですって?(12日に追加あり、赤字)(2022.05.11)
- 萬子媛の言葉(2022.03.31)
- 姑から貰った謡本(この記事は書きかけです)(2022.03.15)
- クリスマスには、やはり新約聖書(2021.12.25)
- 大分トリニータ、天皇杯決勝戦進出。札付き巨大製薬会社ファイザー、アストラゼネカの10年前の行状。「ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する」を再公開。(2021.12.14)
「神秘主義」カテゴリの記事
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
- 「西方浄土」という表現に関する私的発見。オーラに関する補足。(2022.06.01)
- 間が空きました(2022.01.14)
- 児童文学作家アストリッド・リンドグレーンにかかりきりの2日間。(2021.10.29)
- 神秘主義エッセーブログに「112 祐徳稲荷神社参詣記 (15)新作能「祐徳院」創作ノート ①2020年7月~10月 」をアップしました(2021.10.09)
「歴史」カテゴリの記事
- 新型コロナはヘビ中毒で、レムデジビルはコブラの毒ですって? コロナパンデミックは宗教戦争ですって?(12日に追加あり、赤字)(2022.05.11)
- ウクライナの核心的問題に迫る山口氏の動画(ブレジンスキーについて知っていますか?)。ノルマンディー上陸作戦記念式典で十字を切るプーチン大統領と「死の手」と呼ばれる核報復システム(都市伝説だといいですね)。(2022.04.22)
- 祐徳院について、二代目庵主様の肖像画の不鮮明な写真。イベルメクチンがオミクロンに有効との朗報とアルツハイマーのような症状が起きることのあるワクチン後遺症について、ごく簡単に。(2022.02.01)
- 愛川様がお送りくださった祐徳院関係の貴重な資料が届きました。お礼のメールはまだこれからです。(1月24日に加筆訂正、赤字)(2022.01.19)
- 萬子媛関連で、新たにわかったこと2件(18日に加筆、19日に加筆緑字、20日に加筆訂正赤字)(2022.01.17)
「メモ帳Ⅰ」カテゴリの記事
- メモ(2012.05.22)
- 『三銃士』に出てきた白黒斑の馬。nea37……氏からのメール。(2011.11.04)
- 児童文学作品A 2)沢山の断片。おおまかなストーリー。(2011.11.03)
- 児童文学作品A 1) カオス状態(2011.11.02)
「Theosophy(神智学)」カテゴリの記事
「Notes:不思議な接着剤」カテゴリの記事
- クリスマスには、やはり新約聖書(2021.12.25)
- (承前)「フィリポ言行録」について(2019.07.28)
- 『キリストの棺 世界を震撼させた新発見の全貌』を読んでいるところです(加筆あり、緑文字。8月21日に追記、青文字)(2019.07.26)
- 息子の土産話。温まった旧交を冷やす、女友達との価値観の違い。(2017.07.18)
- Notes:不思議な接着剤#95 ナザレ人(2017.05.04)
「Notes:グノーシス・原始キリスト教・異端カタリ派」カテゴリの記事
- クリスマスには、やはり新約聖書(2021.12.25)
- (再掲)テロ組織の原理原則となったイルミナティ思想が行き着く精神世界(2020.10.17)
- 中共によって無残に改竄された、「ヨハネによる福音書」のイエス(2020.09.29)
- (承前)「フィリポ言行録」について(2019.07.28)
- 『キリストの棺 世界を震撼させた新発見の全貌』を読んでいるところです(加筆あり、緑文字。8月21日に追記、青文字)(2019.07.26)