真夏の夜にジュニア向きホラーは如何?
「マダムNの推薦図書 2010夏」の公開には遅い時期ですが、昼間一応選びたい本のチェックに中心街の書店へ行き、夕飯のあと、23時まで開いている別の書店に行きました。
家族が休みだったので、一緒に。うちは幸い本好きなので(娘は書店勤務でもあります)、わたしも安心して長居できます。
幸い大きな書店なので、長居しても目立ちませんが、手ぶらで出るのも悪いなあと思っていると、夫がどれか買ってあげようかといいました。
小銭を処分したかったみたいです。で、時間切れでチェックしそびれた岩波少年文庫から出ている、中学生向きの『八月の暑さのなかで―ホラー短編集―』(金原瑞人編訳)を買って貰いました。
夏ですからね、中学生向きにはホラーなんてのも、入れたいと思いまして。
さすがに岩波少年文庫だけのことはあり、収録作品の作者はエドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、ロアルド・ダールなどといった文学が豪奢に薫る一流作家の小品ばかり。
ホラーを読むのであれば、心底ぞっとさせてくれる高級なホラーを知ってほしいのです。
まだ読むのはこれからなので、推薦図書に含めるかどうかはわかりませんが、大人でいらっしゃるあなた様にもいいのではないでしょうか。
少年文庫なので、活字が大きめですし、文体ももの柔らかで、眠りにおちる前に少し涼しくなるにはぴったりではないかと思います。
わたしがこれまでの人生で一番ぞっとさせられた文学作品は、ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』です。次が泉鏡花の『草迷宮』。
どちらもこの世の深淵を垣間見せてぞっとさせながら、襞に秘められた魅力……とでもいうべきものを教えてくれました。
そういえば、昼間書店で、芥川賞に輝いた赤染晶子の単行本『乙女の密告』をパラパラとめくりました。
あっというまに読めそうで、肩透かしを食った感じです。まあでも感想を書くと決めたので、文藝春秋が出たら、ちゃんと読んで感想は書きます。
しかし段々ひどくなるばかりだなあ。どこまで質が落ちるのやら。まだ未読で、こういうのもナンですが。
傑作だったら、どうしよう? そのときは素直に正直にそのまま、小母さんの密告……じゃなかった、小母さんの告白を致しますわ。
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