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2010年5月 8日 (土)

Notes:不思議な接着剤 #54 ヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』

Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。

#54
2010/5/8(Sat) ヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』

フラウィウス ヨセフス
筑摩書房
発売日:2002-02

 新たに資料として選んだヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』。本格的な読書は旅行後になるが、目が覚めてしまった夜中に、気になるところをざっとチェックしていた。以下はそのノート。

 ユダヤの宗教哲学といっても、エッセネ派、パリサイ派、サドカイ派では全く違うではないか!

 イエスはエッセネ派と関係があったといわれるが、なるほど、教団の規律面などはキリスト教とそっくりだ。殉教の仕方まで!

 クレオパトラの戦略のことなど、拾い読みし出だしたら、とまらなくなる。

 何だか、通信社からのニュースを読んでいるような感じだ。

 ヨセフスはユダヤ戦争時の指揮官で、37年から100年頃の人だが、感覚が今の人みたいで当惑するくらい。

 モーセが物語った創世記の紹介から始まる『ユダヤ古代誌』(秦剛平訳)。ヨセフスはモーセについて、以下のように書いている。

 もちろん〔わたしたちの〕律法制定者は、ある種のことは懸命にも謎に伏せたままにしておいたし、またある種のことは荘重な寓意物語で説明を与えた。しかし彼が、率直平明に語るべきだと考えたときには、その語ったことの意味内容は、事理まことに明白であった。
 ところで〔わたしたちの教義の〕仔細を〔さらに深く〕知ろうとする方に〔答えるためには〕、〔より〕高度な哲学的考察が必要だが、〔それは〕先の仕事にしておきたい。

 何と、まともな感覚!

 『ユダヤ戦記』の訳者はしがきに「西洋のキリスト教の歴史は『聖書』ばかりか『ヨセフスの著作』の誤用と濫用の歴史であったと考えられる」とあるが、同感。

 自作童話『不思議な接着剤』を考えていたときに、洞窟に囚われた乙女とヨーロッパ中世風の町が頭に浮かんだ。

 その乙女の顔を見たいばかりに、異端カタリ派→グノーシス→原始キリスト教→マグダラのマリアと辿った。

 マグダラのマリアについてもっと知りたいばかりに、迷い込んだ森のさらなる深みへわたしは行こうとしている。

 旅行後に、とりあえず、子供たちを洞窟に入れよう。

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