Notes:不思議な接着剤 #54 ヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』
Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。
#54
2010/5/8(Sat) ヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』
新たに資料として選んだヨセフスの『ユダヤ戦記』『ユダヤ古代誌』。本格的な読書は旅行後になるが、目が覚めてしまった夜中に、気になるところをざっとチェックしていた。以下はそのノート。
ユダヤの宗教哲学といっても、エッセネ派、パリサイ派、サドカイ派では全く違うではないか!
イエスはエッセネ派と関係があったといわれるが、なるほど、教団の規律面などはキリスト教とそっくりだ。殉教の仕方まで!
クレオパトラの戦略のことなど、拾い読みし出だしたら、とまらなくなる。
何だか、通信社からのニュースを読んでいるような感じだ。
ヨセフスはユダヤ戦争時の指揮官で、37年から100年頃の人だが、感覚が今の人みたいで当惑するくらい。
モーセが物語った創世記の紹介から始まる『ユダヤ古代誌』(秦剛平訳)。ヨセフスはモーセについて、以下のように書いている。
もちろん〔わたしたちの〕律法制定者は、ある種のことは懸命にも謎に伏せたままにしておいたし、またある種のことは荘重な寓意物語で説明を与えた。しかし彼が、率直平明に語るべきだと考えたときには、その語ったことの意味内容は、事理まことに明白であった。
ところで〔わたしたちの教義の〕仔細を〔さらに深く〕知ろうとする方に〔答えるためには〕、〔より〕高度な哲学的考察が必要だが、〔それは〕先の仕事にしておきたい。
何と、まともな感覚!
『ユダヤ戦記』の訳者はしがきに「西洋のキリスト教の歴史は『聖書』ばかりか『ヨセフスの著作』の誤用と濫用の歴史であったと考えられる」とあるが、同感。
自作童話『不思議な接着剤』を考えていたときに、洞窟に囚われた乙女とヨーロッパ中世風の町が頭に浮かんだ。
その乙女の顔を見たいばかりに、異端カタリ派→グノーシス→原始キリスト教→マグダラのマリアと辿った。
マグダラのマリアについてもっと知りたいばかりに、迷い込んだ森のさらなる深みへわたしは行こうとしている。
旅行後に、とりあえず、子供たちを洞窟に入れよう。
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