Notes:不思議な接着剤 #52 紘平のモデルについて
Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。
#52
2010/4/9(Fri) 紘平のモデルについて
『不思議な接着剤』の主要な登場人物を挙げると、
- 紘平・翔太の兄弟
- 幼馴染の瞳
- 洞窟に囚われている錬金術師の娘。
他に、登場人物の中で、2人の異端審問官のモデルは動かしがたいものとして決定している。
錬金術師の娘のモデルとして、初期にモデルとして設定していた――わたしが詩人と呼んでいる、修道女を育成する学校で精神を病んだ過去を持つ――女友達が呼び水(?)となったかのように、ナンとマグダラのマリアが浮上してきた。
瞳のモデルについては、2007/11/29 (Thu)付ノート、不思議な接着剤 #/お話の続きを考える その2に詳しく書いている。以下に抜粋。
電器店のシーンでは、まず、幼馴染の瞳をクローズアップさせよう。そして、紘平は彼女に、接着剤の秘密を話してしまう。
紘平にとって瞳はそのような、信頼に足る人物であることは確かだ。冒険に入る前に、瞳に関しては肉づけをかなり行っておきたい。
実は、瞳にはモデルがあった。と過去形になるのは、話の進行と共に紘平に肉づけがなされるにつれ、彼と行動を共にするのは、彼女(モデル)ではないということがはっきりするようになった。
むしろ、紘平と行動を共にするのは、ヒトミちゃんではなく、マチコちゃんだろう。
冒険は大変なものとなりそうなので、初めに考えていたヒトミちゃんがモデルでは、優しく、おっとりしすぎていて、ストーリーが進行しそうにない。恐るべき邪悪な竜に紘平と立ち向かうにも、役不足だ。
紘平は男の子にしてはおっとりしていて、ヒトミちゃんと同じタイプなのだ。ヒトミちゃんは、サバイバル向きではない。紘平もサバイバル向きではないのだが、仕方がない。
不向きであろうがなかろうが、彼には、冒険に入って貰わなくてはならないのだ。この冒険は彼自身が招いたことなのだから。
新たなモデルとなりそうなマチコちゃんは、一緒にピアノを習っていた利発な子で、母子家庭のひとりっ子だった。
小学校のうちに転校してしまったが、彼女と文通を続けていた人の話では、マチコちゃんは女医さんになったということだった。ちなみにヒトミちゃんは、初恋の人とめでたく結婚して、夫婦でお店をしている。
このお話を思いついたときに、瞳は早いうちにわたしの意識に浮上したキャラだった。ポニーテールの女の子が繰り返し、意識に現われるのだ。
だが、イメージはぼやけていた。そしてわたしは、そのイメージを、ポニーテールにしていたヒトミちゃんに重ねてしまったわけだが、それがお話をストップさせた大きな原因だったと思う。 ポニーテールの子は何とマチコちゃんだったのだ。彼女もポニーテールにしていた。とても可愛らしい子だった。ヒトミちゃんも可愛らしい子だったが、明らかにタイプが違う。
でも、ヒトミちゃんが最初に出てきてくれなければ、電器店でのシーンが思いつけなかっただろう。長い長い停滞だったが、今では意味のある停滞だったと思える。
ちなみに、この瞳には、ときどき子供時代の娘もオーバーラップすることがある。邪悪に初期設定していた竜のキャラはすっかり変り、むしろ聖獣となった。しかし、洞窟に入り込んだ中世風の世界は、当初考えていたよりも遥かに危険な世界となった。
翔太のモデルとしては、息子他、わたしが知っていた複数の男の子が交錯する(現在は皆成人している)。
紘平のモデルだけが決まらなかったのだ。イメージには割合しっかりしたものがあって、話を進めるぶんには困らなかったのだが、心許なさがあった。
それが、急に、その紘平のイメージのなかから、今日、お話の続きを書いている最中に、ある人物が浮上したのだった。
その人物とは、現在かかっている循環器クリニックのドクター!
ユニークなキャラだとは感じていたが、なるほど、紘平にはぴったりのキャラかもしれない。先生は優秀なかただが、どことなくおっとりとした、屈託ないところがおあり。
この場面で紘平はどう考えるのだろう、といったようなときに、小学校高学年だった頃の先生だったら、どうお考えになっただろう、と考えることになりそう。
瞳のモデルは、女医さんになったマチコちゃんで、先生もこれまた、小児喘息にもめげずにドクターになったかた。
幼馴染のモデルに設定するには、ある意味、似た者同士ということになり、ちょっとめりはりに欠けるかもしれないが、危険の待ち構えている洞窟に入るには、よいコンビという気もする。ナンにしても、ドクターがモデルとして勝手に(?)浮上してこられたのだから、仕方がない。
尤も、紘平は現時点ではアナウンサーになりたいと思っていて、いずれにしてもドクターにはならないだろう。
モデルに設定したとはいっても、まあ全てが、あくまでわたしの想像にすぎないわけだが、人物が金太郎飴みたいになってしまわない工夫として、モデルはやはり必要なのだ。
この自作童話でわたしが作家になれて、先生とテレビ出演できたらいいですね。なにせ、よくわたしに作家になってね、とか、一緒にテレビ出演したい、などとおっしゃいますので。
⇒https://elder.tea-nifty.com/blog/2010/01/post-ba5e.html
作家になる基礎づくりの一貫として、これからも治療のほう、よろしくお願いします(まさかこのブログをご覧になったりということはないと思うが、一応ご挨拶)。
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