ソネットブログ「マダムNの純文学小説」開設のお知らせ、及び自作小説『地味な人』について
このところ、自作小説の出だしだけでもと思い、古い原稿から作品をブログに写していました。
『地味な人』などは、フロッピーは開けず、感熱紙で打ち出した原稿の文字は消えかかっていて、やばい状態です。インクできちんと印刷している作品は持ちが違いますね。創作なさっているかたには、プリントアウトをおススメします。
お知らせですが、無料で複数のブログを作れるソネットさんで、「マダムNの純文学小説http://source.blog.so-net.ne.jp/」を作りました。小説だけをお読みになりたいかたは、一度ご訪問になってみてください。こちらに収録したものは、あちらにも収録予定です。
話に出したついでに、収録し始めた『地味な人』について。
写しながら読むと、この頃が今の日本を作る分岐点となったんだな、、ということがよくわかります。
それなりに時代の分析ができていたと改めて確認でき、どうしてこのようなテーマに挑んだもっと優れたプロの作品が出なかったかと残念に思います。わが国がそんな作家を数人もっていれば、今のような日本にはならずに済んだかもしれないのに、と取り返しのつかないものを感じずにはいられません。
尤も、当時から既に大出版社はアメリカ型商業主義に侵されていたからそんな作家が出なかった、といってしまえないこともありませんけれど。
作品に出てくるアメリカ型のお店、わたしは好きです。ドーナツのお店のメニューなどは当時とあまり変らず、すっかり日本に溶け込んでいますね。
ただ、当時はある衝撃があり、また危惧を覚えたことがあって、それはわたし一人の実感ではなかったと思います。それが作品の第一のモチーフとなって、作品の冒頭を一葉のスナップ写真のように飾りました。
『地味な人』を写しながら、わが国がアメリカ型商業主義というものの性質をきちんと分析し、もっと賢い受容の仕方ができていたら、もう少しましな日本になっていたに違いないのに……と本当に悔しく思いました。
第一のモチーフに、殺人事件を絡ませた『地味な人』は、実際に起きた事件とは必ずしもリンクしないかもしれませんが、お受験殺人事件と呼ばれたあの事件には、母親の心情に突き刺さってくるものがありました。それが第二のモチーフとなって、自然に第一のモチーフに融合したのでした。
アメリカ型商業主義については、流通業界において、アメリカに倣え追いつけとばかりに郊外型の店舗展開をひた走りに走ってきた某企業の一戦士である夫にずいぶん取材し、彼は快く協力してくれました。子育て中の迷い、葛藤などは実体験の滲み出たものとして、どうしても残しておきたい作品です。
客観的に見て、やはり未熟な作品ではありますが、懸命に綴った過去の自作にわたしは元気づけられて思いました。今からでも遅くはないはず。
日本人は明らかにおかしくなっていますが、今こそ、わたしたちは本来の聡明さと我慢強さを取り戻して、目先のことに惑わされない、様々な重圧に挫けない、自分らしい生きかたを取り戻すときなのではないでしょうか。日本人には、様々な欠点と共に、そのような美点も潜んでいると思うのです。
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