Oさんとの文学的交際を振り返る
そう長かったわけでもないのに、呪縛されていたような日々だった。
彼が、文学仲間という現れかたをしたために、縁を切るのが難しかったのだろうと思う。
彼は明敏な印象で、世知に長けた人だっが、知的な面で、部分的な欠落を感じさせた。
わたしは、最初から彼が怖かったのだと思う。作品をマンションのポストに直に入れに来るなんて、気持ちが悪かった。その気持ちの悪さが、最初から最後まで通奏低音のように響いていた。
今、しみじみと解放感がわいてくる。
彼はわたしより7つも上の癖に、イカレタ青年のようにムード的にも性的にも落ち着きがなかった。
わたしは彼にいったことがあった。奥さんとの壊れた関係に向き合うことこそ、あなたのテーマであり、そこには文学的鉱脈があるのではないかと。
すると、電話が急に切れた。
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