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2010年1月19日 (火)

19日に、文学の集まり ①

『19日に、文学の集まり ②』はこちら。
 ⇒https://elder.tea-nifty.com/blog/2010/01/post-4d86.html

 午後1時から、お茶屋さんの中にある喫茶室でF氏、2人のO氏と集いのときを持った。

 店内のあちこちにカウンター席のある変わった造りで、角部屋風のコーナーには8人が座れる大きなテーブル。別室で絵画教室でもあっているのか、壁一面に展覧会のように絵が掛かっている。

 F氏の文学教室の女性の生徒さんも見える予定だったが、急用で行けなくなったとのこと。

 初めてお目にかかるO[1]氏はいくらか耳が遠いが、燻し銀を連想させる老紳士で、「生きているうちに、あなたにお会いできてよかった」とまでいってくださった。

 わたしはO[1]氏の創作の技法で確認したいことがあった。作品に様々な職業の人々が登場するが、いずれにもリアリティがあり、調査や想像の不足によるブレがない秘密を知りたかったのだ。

 知り合いに取材なさるらしい。また、長年の間に見聞きしたことが役立つという。

 O[2]氏は、相変わらず少年みたいな中年男性。よく中原中也に似ているといわれるそうだ。似ているが、中也より明るくやんちゃな感じ。

 白い帽子を被っているところは雪だるまみたいに見えたので、からかう。出版社をしていた頃の地元新聞社との絡みというか、驚くべきエピソードを聞かせていただいた。

 そのうち、O[1]氏のお友達が3人見え、さらに増えそうな勢いだったので、F氏と2人、詰めた話をするために場所を移した。

 創作活動に関する貴重な資料を見せていただきながら、実のある話ができた。

 結論として、F氏と評論で組ませていただくことにした。攻めるは、新聞社。地方だけではなく、東京など、送り先を増やす。

 不安要素として、わたしが加わることによるマイナス面をいうと、その心配は要らないと思うそうで、具体例を挙げてくれた。

 わたしは、自身の今年の予定を話した。夏頃までに童話の完成と持ち込み。秋に70枚の歴史物。

 彼はだいたい年に2回のペースで個人誌を出して来ているので、今年後半ぶんに組ませていただきたいといった。

 とはいえ、わたしは評論を書くだけのまとまった時間を得にくいと思うので、春樹のエッセーのときのようにブログを活用したい。

 これまでより大きく採り上げて貰うためには(新聞の文芸作品紹介欄は縮小傾向にあるらしく、写真などもあまり載らなくなってきたとのこと)、F氏にはこれまで以上によいものを書いて貰わなくてはならない。

 そのために、風土の匂いに人物が取り込まれるような描きかたが意図的なものかどうか、知りたかった。

 意図的ではないそうなので、人物が今一つ生彩を欠くこと、また、テーマをもっと煮詰めて自分の中に落とし込み、新しい発見がきらめくのを確認してから執筆することを提案してみた。

 人物に関しては、ドクター作家K氏に対していった言葉を繰り返したわけだ。

 わたしの言葉が刺激したのか独自の勘によるものかはわからないが、K氏は休刊前の同人雑誌で発表した作品では、自然と人物、どちらの魅力も、対位法といってよい技法で最大限に惹き出していた。

 文章力があるだけに、すぱらしい仕上がりで、酔わされた。

 わたしはK氏とF氏はよきライバルだと思ってきたが、当人たちは、ろくに知らないからと否定なさる。でも、強く意識し合っていることは確かだ。

 作風は異なるが、K氏同様に文章力のあるF氏にも、人物を描写し、謳い上げる力量はあるはすだ。期待したい。

 一度に多くのことはできない。今年はわたしとしては上に書いた課題を消化しながら、ネットの活用やサロン作りなど、自分なりに考えてみたい。

 F氏との話を終え、O[2]氏に電話した。あのあと、O[1]氏と突っ込んだ創作の話が出来たそうで、彼の口調は高揚していた。

 O[1]氏は、わたしとも改めて話をしたいとおっしゃっていた由。次回、溜まり場に行くときはO[2]氏に電話をすることにした。O[2]氏から皆に連絡がいく。

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