復活した朝ご飯と迷走気味の生活
腹部の不調で長らく1日1食が普通だったが、今朝は納豆ご飯を食べた。漢方薬を1日3回食前に服用するのは、わたしには一仕事。ご飯を食べずに飲むと、おなかの具合が悪くなる。でも、朝ご飯が食べられるくらいにガスが抜けた。
とはいえ、漢方治療、この先も続けるかどうかはわからない。体質改善には根気が要りそうだ。漢方治療で得た体力を、漢方的生活に使うことになりそうな不安、不満。不健康でも、元の自由感のある文学的生活に帰りたい欲求が早くも生じている。
今は薬をきちんと飲み、水を不必要に飲まず、ゲップを出す宿題が出ているだけだが、そのうち快眠快便、早寝早起きの宿題が課せられそうで、僧侶的生活を目指すことになりそうな気さえする。第一、ゲップを出せといわれたって、無理だ。自然と出て来るのを待つことしか、わたしにはできない。
今度、当帰湯に加えて新しく飲み始めた、安中散料という薬は飲みやすい。構成生薬は、桂皮(ケイヒ)、延胡索(エンゴサク)、牡蛎(ボレイ)、茴香(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)、縮砂(シュクシャ)、良姜(リョウキョウ)。どれが飲みやすくしているのだろう?
茴香(ウイキョウ)は、別名フェンネルだそうだ。わたしもときどき料理に使う、甘い芳香を持つフェンネル。初めて安中散料を飲んだとき、ハーブの香りがすると思ったのは、フェンネルが入っているためかもしれない。
胃腸の具合がよくなって始めて、胃腸の具合が悪かったことに気づいた。漢方薬を飲み忘れて夕飯を食べてしまうと、覿面、左上腹部が痛くなる。毎日毎日、こんな圧迫痛が当たり前だったなんて信じられない。楽には人間、すぐに慣れるものだなと呆れる。
問題は、いろいろなことを先生に、これからわかっていただかなくてはならないということだ。物凄く、面倒臭い。
先生はわたしの心臓発作の痛みを上腹部痛と混同していられるようだが、それは違う。痛みの種類がまるで違うのだ。また、慢性膵炎の治療を受けていたのは大酒飲みだからとも疑っていられるようだが、それも違う。結婚してからは、記念日などにワインをグラスに1、2杯飲む程度だ。慢性膵炎には、大酒飲みがなることが多いという。だからこその疑いなのだろう。
わたしに慢性膵炎と思われる症状が出たのは、頻脈を放置していたときだった。膵炎かどうかのいろいろな検査を受け、投薬治療を受けていた。そのときは肝機能もいくらか低下し、血圧は高く、心臓は頻脈の負担に耐えられずに大きくなっていた。わたしは全て、頻脈の放置から出たものだと思っている。
頻脈を放置していたのだって、好きでそうしていたわけではない。検査もなしに、ときどきそうなるだけだろうと思われて、相手にして貰えないことが続いたからだ。24時間のホルター心電図を装着して貰って初めて、わたしの訴えに偽りがないことが判明した。治療前後の2枚のレントゲンを撮って貰ってようやく、心臓が本来のサイズより大きくなっていた事実が判明した。
循環器クリニックの先生は、初診時にインデラルの切れたわたしの頻脈の状態をご存知だから、インデラルは必ず出してくださる。漢方の先生には、これから説明するしかない。狭心症と喘息についても話せば長くなる。
本当は、心臓のことは説明せずに、腹部の状態と湿疹だけ改善して貰うつもりだったが、それはわたしの勝手すぎる考えだった。漢方では全体を見る。それはわたしの哲学的観点からは理想的な物の見方だと思うが、現実には大変なことだ。
わたしが一番怖れるのは、インデラルと下手な薬を取り替えられること。そして、心臓が壊れてしまうこと。頻脈の出ない体に改善して貰うことが理想だけれど、ガス抜きだけでひどく手間がかかりそうじゃないか。
体が弱ることは避けられないが、これまでのように西洋医学だけにしておこうかという考えが、通院2回目にして出て来るとは思いもしなかった。ガスを吸収してくれる薬を、確か呼吸器クリニックで出して貰ったことがあった。ガス抜きには、その薬を出して貰えばいいことだ。
何しろ、問診、舌診、脈診、腹診が漢方の診察のようだから、問診に自ずから力が入るのか、15日の診察はまるで尋問のように思えた。それが早くも通院に嫌気がさした第一原因となっている。
わたしは長年医療に頼り、助けて貰って来たけれど、ずいぶん屈辱も忍んで来た。でも、大酒を飲むんじゃないかなんて、ひどすぎる。もしそうであれば、そういう。それは単に問診にすぎず、間違いのない薬を出すためのものなのだと頭ではわかっている。でも、気持ちではおさまりがつかないのだ。
ただ、体が冷え切っていることを指摘し、その体を温めてくれる薬を出してくれたドクターなんて、西洋医学の世界にはいなかった。
どうでもいいことだけれど、漢方のO先生は、上から見たときと下から見たときでは、お顔が違う印象を受ける。上から見ると、杉村春子みたいだ。O先生は精悍そうな男性だが、どこか古典芸能の趣があるのだ(星座は牡羊座に違いない)。
ああ、支離滅裂な文章綴っている。こんなんじゃ、童話書けない。
あ、納豆ご飯の上にぼんやりと見えているのは、携帯につけている鉄腕アトムのフィギュアです。
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