Notes:不思議な接着剤 #30/カタリ派について#3
Notes:不思議な接着剤は、執筆中の自作の児童文学作品『不思議な接着剤』のための創作ノート。
#30
2009/11/23(Mon) カタリ派について#3/資料#1
昨夜、カタリ派信仰を持つ女性がヒロインで、そのモデルはかの実存主義系フランスの女性哲学者シモーヌ・ヴェイユというミステリー、笠井潔著『サマー・アポカリプス』(創元推理文庫、1996年)を読んだ……とはいえないお粗末な読みかたで、20分くらいで拾い読みしただけだが、全体のあらましは掴めたと思う。
で、かのシモーヌ・ヴェイユにはトンデモ役が二重に振られていて、ミステリーとはいえ、驚いてしまった! ヴェイユは美形だから、人気があるようだが、こんな使われかたをしていたとは。カタリ派に触れたヴェイユの論文まで引用されていた。作品のムード、事件の追跡の仕方はダ・ヴィンチ・コードなどの系統だろうが、歴史の謎解きを絡める主要な線では残念ながら不成功で、どちらかというと単なる人殺しに終わっていた。ここから、ヴェイユの思想、異端カタリ派、グノーシス、原始キリスト教などに入れば、一興かもしれないが……。
県立図書館の蔵書検索で、カタリ派、グノーシス、原始キリスト教で検索してみたら、以下の著書がヒットした。
○カタリ派
- 異端カタリ派と転生 図書 原田武/著 人文書院 1991.9
- 異端カタリ派の哲学 叢書・ウニベルシタス 図書 ルネ・ネッリ/〔著〕 法政大学出版局 1996.11
- ヨーロッパ異端の源流 カタリ派とボゴミール派 図書 ユーリー・ストヤノフ/著 平凡社 2001.11
○グノーシス
- 荒井献著作集 6 グノーシス主義 図書 荒井 献/著 岩波書店 2001.7
- 荒井献著作集 別巻 <訳注>使徒行伝 ナグ・ハマディ文書 図書 荒井 献/著 岩波書店 2002.6
- 霊魂離脱(エクスタシス)とグノーシス 図書 ヨアン・P.クリアーノ/〔著〕 岩波書店 2009.5
- 禁じられた福音書 ナグ・ハマディ文書の解明 図書 エレーヌ・ペイゲルス/著 青土社 2005.3
- グノーシス 古代キリスト教の<異端思想> 講談社選書メチエ 図書 筒井 賢治/著 講談社 2004.10
- グノーシス 古代末期の一宗教の本質と歴史 図書 クルト・ルドルフ/〔著〕 岩波書店 2001.12
- グノーシス異端と近代 図書 大貫 隆/〔ほか〕編 岩波書店 2001.11
- グノーシス陰の精神史 図書 大貫 隆/〔ほか〕編 岩波書店 2001.9
- グノーシスとはなにか 図書 マドレーヌ・スコペロ/著 せりか書房 1997.9
- グノーシス「妬み」の政治学 図書 大貫 隆/著 岩波書店 2008.7
- グノーシスの宗教 異邦の神の福音とキリスト教の端緒 図書 ハンス・ヨナス/著 人文書院 1986.11
- グノーシスの神話 図書 大貫 隆/訳・著 岩波書店 1999.1
- グノーシス考 図書 大貫 隆/著 岩波書店 2000.1
- 自己認識への道 禅とキリスト教 図書 可藤 豊文/著 法蔵館 2001.4
- ダ・ヴィンチの謎ニュートンの奇跡 「神の原理」はいかに解明されてきたか 祥伝社新書 図書 三田 誠広/〔著〕 祥伝社 2007.3
- ナグ・ハマディ写本 初期キリスト教の正統と異端 図書 エレーヌ・ペイゲルス/〔著〕 白水社 1996.6
- ナグ・ハマディ文書 4 黙示録 図書 荒井 献/〔ほか〕訳 岩波書店 1998.9
- ナグ・ハマディ文書 1 救済神話 図書 荒井 献/〔ほか〕訳 岩波書店 1997.11
- ナグ・ハマディ文書 2 福音書 図書 荒井 献/〔ほか〕訳 岩波書店 1998.1
- ナグ・ハマディ文書 3 説教・書簡 図書 荒井 献/〔ほか〕訳 岩波書店 1998.5
○原始キリスト教
- 荒井献著作集 4 原始キリスト教 図書 荒井 献/著 岩波書店 2001.6
- 荒井献著作集 5 初期キリスト教史 図書 荒井 献/著 岩波書店 2001.9
- 石原謙著作集 第3巻 初期キリスト教研究 図書 岩波書店 1979.1
- 神々にあふれる世界 上 古代ローマ宗教史探訪 図書 キース・ホプキンズ/〔著〕 岩波書店 2003.11
- 神々にあふれる世界 下 古代ローマ宗教史探訪 図書 キース・ホプキンズ/〔著〕 岩波書店 2003.11
- キリストと時 原始キリスト教の時間観及び歴史観 岩波現代叢書 図書 O.クルマン/著 岩波書店 1954.5
- キリスト教の誕生 「知の再発見」双書 図書 ピエール=マリー・ボード/著 創元社 1997.9
- キリスト教史 第1巻 初代教会 図書 上智大学中世思想研究所/編訳 講談社 1980.10
- 禁じられた福音書 ナグ・ハマディ文書の解明 図書 エレーヌ・ペイゲルス/著 青土社 2005.3
- 原始キリスト教の社会学 図書 G.タイセン/著 ヨルダン社 1991.9
- 原始キリスト教史 図書 H.コンツェルマン/著 日本基督教団出版局 1985.3
- 古代教会史 図書 N.ブロックス/著 教文館 1999.6
- 砂漠の師父の言葉 ミーニュ・ギリシア教父全集より 図書 谷 隆一郎/訳 知泉書館 2004.4
- 使徒行伝と原始キリスト教史 聖書の研究シリーズ 図書 M.ヘンゲル/著 教文館 1994.6
- 宗教の倒錯 ユダヤ教・イエス・キリスト教 図書 上村 静/著 岩波書店 2008.9
- 初期キリスト教の霊性 宣教・女性・異端 図書 荒井 献/著 岩波書店 2009.4
- 新約聖書の世界 原始キリスト教の発足と展開 図書 小嶋 潤/著 刀水書房 1997.5
- 『新約聖書』の誕生 講談社選書メチエ 図書 加藤 隆/著 講談社 1999.8
- ナグ・ハマディ写本 初期キリスト教の正統と異端 図書 エレーヌ・ペイゲルス/〔著〕 白水社 1996.6
- 悲劇と福音 原始キリスト教における悲劇的なるもの Century books 図書 佐藤 研/著 清水書院 2001.3
1回の貸し出しで借りられるのは10冊までなので、選ぶのに迷ったが、今日が休みだった夫に借りに行って貰った。自分で行ければ一番いいのだが、図書館疲れで寝込み、2日は無駄にするはめになるので。メモする際に間違って、持っているハンナ・ヨナスの『グノーシスの宗教』まで指定してしまっていた。借りたいもので、貸し出し中のものが2冊あった。
研究書だけではなく、創作の参考にするために小説も借りたいと思い、2冊借りることにした。また、ネット検索で関心がわいた『モンタイユー 上』も借りることにした。この著書は、カタリ派異端審問官を勤めたジャック・フルニエの記録を資料とした研究書。訳者の一人が渡邊昌美であることも興味を誘った。うちにある『異端者の群れ』(八坂書房、2008年)の著者で、好著だと思ったからだった。
今回借りたのは、うっかりした前掲の著書を除けば、次の9冊。
○小説
- オクシタニア 図書 佐藤 賢一/著 集英社 2003.7
- 路上の人 図書 堀田善衛/著 新潮社 1985.4
○研究書
- 異端カタリ派の哲学 叢書・ウニベルシタス 図書 ルネ・ネッリ/〔著〕 法政大学出版局 1996.11
- グノーシス 古代末期の一宗教の本質と歴史 図書 クルト・ルドルフ/〔著〕 岩波書店 2001.12
- 神々にあふれる世界 上 古代ローマ宗教史探訪 図書 キース・ホプキンズ/〔著〕 岩波書店 2003.11
- 神々にあふれる世界 下 古代ローマ宗教史探訪 図書 キース・ホプキンズ/〔著〕 岩波書店 2003.11
- 禁じられた福音書 ナグ・ハマディ文書の解明 図書 エレーヌ・ペイゲルス/著 青土社 2005.3
- ナグ・ハマディ写本 初期キリスト教の正統と異端 図書 エレーヌ・ペイゲルス/〔著〕 白水社 1996.6
- モンタイユー 上 ピレネーの村1294~1324 刀水歴史全書 図書 エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ/著 刀水書房 1990.6
○借りたかったが、貸し出し中だった研究書
- ヨーロッパ異端の源流 カタリ派とボゴミール派 図書 ユーリー・ストヤノフ/著 平凡社 2001.1
- 霊魂離脱(エクスタシス)とグノーシス 図書 ヨアン・P.クリアーノ/〔著〕 岩波書店 2009.5
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