Notes:不思議な接着剤 #18 子供たちの宿題
#18
2009/10/6 (Tue) 子供たちの宿題
もし錬金術師の娘が竜に食べられてしまえば、娘は人間であって、魔女ではなかったという無意味な証明になった。しかし、10日経っても生きているようであれば、悪魔のしもべである竜と結託している魔女とみなされて火あぶりにされることになる。
このようにして連れてこられた人々のほとんどが火あぶりにされたか、逃亡を企てて洞内のどこかで遭難した。なかには、竜を見たショックで心臓麻痺を起こした者もあった。竜は植物食で、苔を嘗めて生きているだけだから、人間を食べない。
子供たちは錬金術師の娘と竜を助けようとするが、見つかってしまう。
裁判で、子供たちは、自分たちが錬金術師の娘に食べられるために捕まったのではなく(※子供を捕らえて食べるという魔女像がある)、洞内に入り込んだよそ者であること、また竜が聖獣であると証明しなければならなくなる。裁判官のモデルは、勿論彼。権力づく、職務怠慢の彼以外にありえない。容貌もぴったりだ。白い鬘も似合いそう。
翔太のピアノの音をした泣き声が役に立つ。
瞳は、怖いと思いながらも人々の衣服、装飾品などに興味を持つ。
東西いずれも古い時代は様式の時代だということを忘れずに、儀式ずくめの雰囲気が出せたらと思う。
竜は、苔を嘗めてばかりいたせいで、緑色の体をしているが、半分は光の体(彼の世の体)であるため、エメラルドグリーンに輝いて見えることがある。竜の周囲は明るいことがある。
錬金術師の娘は子供たちが救うが、父親の運命を考えているところ。父親は、竜の生態を娘に教えて、火あぶりになる寸前にいなくなった。それが娘が魔女として捕らえられる原因を作るのだが、父親は自ら逃げたわけではなかった。
このお話の背後には、時空を超えて商売の手を拡げる商社の存在があり、その商社はこのお話ではほんのり姿を感じさせる程度だが、その商社の属する企業グループか、あるいはそれと敵対する別の企業グループかのいずれかに父親は招かれたのだ。シリーズ物となる予定の何巻目かで父親がフルに出てくることになるだろうが、このお話ではいなくなったことくらいしか描かれない。
頭の中では順調に肉付けがなされていくが、実際のお話の続きは一行書いただけ。
「子供たちは、世界の鍾乳洞を紹介するテレビ番組にすっかり夢中になってしまいました。」
できれば今週中に、子供たちが鍾乳洞の入り口に辿り着くくらいまでは書いてしまいたい。
紘平は接着剤で、電器店の倉庫の通路に鍾乳洞をくっつけるが、通路は鍾乳洞の天井に近い穴の部分にくっついてしまう。わたしが秋芳洞の冒険コースで辿ったのと同じようなコースを辿らせよう。
冒険コースとは違って手すりなどないから、幼稚園児の翔太などには大変な道だ。子供たちは冒険ごっこのつもりだから、リュックを背負い、懐中電灯を手にしている。リュックの中にはお菓子が沢山入っている。個別パックされたチョコ、クッキー、ゼリーも。ゼリーは洞内で喘息の発作を起こす翔太が食べるのにいいだろう。
子供たちが見つかったあとは食べ物が与えられるからいいが、鍾乳洞で過ごす数日間を子供たちは、錬金術師の娘に分けて貰った食べ物とお菓子で過ごさなくてはならない。
お話の洞内の水は、モンドセレクション金賞を受賞した龍泉洞の水並みの美味しい水ということにしよう。龍泉洞は、日本の三大鍾乳洞の一つで岩手県にあり、探検し尽くされていない広大な鍾乳洞。大きな地底湖があるという。三大鍾乳洞のあとの二つは高知県の龍河洞、山口県の秋芳洞。
お話に登場する緑色の竜は、地底湖に棲んでいる。
以下に、参考のためにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「魔女狩り」より抜粋しておく。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「魔女狩り」より。
《魔女裁判の方法》より部分的に抜粋
魔女狩りの根拠とされたのは旧約聖書『出エジプト記』22章18節の「女呪術師を生かしておいてはならない」 (מְכַשֵּׁפָה לֹא תְחַיֶּה [məḵaššēṕāh lō’ təḥayyeh]) という記述である[2]。ここで言う女呪術師、原語メハシェファ (מְכַשֵּׁפָה)とは、「魔法を掛ける」「魅惑する」という意味の動詞キシェフ (כִּשֵּׁף [kiššēṕ])と語根を同じくする女性名詞である[3]。この「魔術を行う女性」というほどの曖昧な表現が欽定訳聖書(1611年)の編集時に「魔女」(Witch)という言葉に訳され、当時の人々のイメージに合わせて書き換えられた。このため、この部分が魔女狩りの聖書における根拠になりうると考えられた。
魔女として訴えられた者には、町や村、もしくはその近郊に住む女性で、貧しく教養がない、あるいは友人が少ないといった特徴を持つものが多かったようである。近代に入ってもカトリック・プロテスタントを問わず、宗教界の権威者たちは非キリスト教的な思想を嫌った。それは旧約聖書にあるヘブライ人たちの多神論への攻撃にその論拠を求めたものであった。
〔略〕
魔女狩りの歴史を研究するジェニー・ドビンス(Jenny Dobbins)は魔女狩りの最盛期(1567年-1640年)に民衆法廷から教会裁判へ持ち込まれた魔女裁判の容疑の半分以上が証拠不十分として無罪宣告され、拷問は用いられず、被告は「自分が魔女でない」ことを宣誓してくれる証人を呼ぶ権利を認められていたといい、さらに訴えられたケースのうち21%のみが教会裁判で裁かれたが、教会がなんらかの罰や刑を課すことはなかったという。
ただ、教会裁判の実情が以上のようなものであっても、実際にはほとんどの魔女とされた者は民衆法廷で裁かれており、民衆法廷には厳密なシステムやルールが存在しないだけに、行き過ぎた拷問や刑罰が行われたものと考えられる。
処刑法としてはヨーロッパ大陸では焚刑(火あぶり)が多く見られたが、イギリスでは絞首刑が主流であった。ほかにも溺死刑などがあった。
『拷問の歴史』(The History of Torture Throughout the Ages)の中でジョージ・ライリー・スコット(George Ryley Scott)は魔女の疑いをかけられたものに対しての取調べや拷問は、通常の異端者や犯罪者以上に過酷なものでなければならないという通念がはびこっていたという。それだけでなく魔女に対する取調べのために新しく考案された拷問もあり、魔女裁判によってヨーロッパに古代から伝わっていた民間伝承の多くが失われることになったという説もあることを紹介している。
《時期と地域、犠牲者数》より部分的に抜粋。
魔女狩りはかつて「長期にわたって全ヨーロッパで見られた現象」と考えられていたが、現代では時期と地域によって魔女狩りへの熱意に大きな幅があったことがわかっている。全体としていえることは、魔女狩りが起きた地域はカトリック・プロテスタントといった宗派は問わないということであり、強力な統治者が安定した統治を行う大規模な領邦では激化せず、小領邦ほど激しい魔女狩りが行われていたということである。その理由としては、小領邦の支配者ほど社会不安に対する心理的耐性が弱く、魔女狩りを求める民衆の声に動かされてしまったことが考えられる。
時期を見ると16世紀から17世紀、さらに限定すると1590年代、1630年ごろ、1660年代などが魔女狩りのピークであり、それ以外の時期にはそれほどひどい魔女狩りは見られなかった。
地域別に見るとフランスは同じ国内でも地域によって差があった。ドイツでは領邦ごとの君主の考え如何で魔女狩りの様相に違いがあった。イタリア、ヴェネツィアでは裁判は多かったが、鞭打ちで釈放され処刑はほとんどなかった。スウェーデンでは強力な王権のもとで裁判手続きが厳守されており、三十年戦争期には占領したドイツ領邦で魔女狩りを抑止していたが、17世紀中ごろより大規模な魔女狩りが発生している。スペイン(バスク地方を除く)では異端審問が行われていたが、これが魔女狩りに発展することはなかった。オランダでは1610年を最後に魔女が裁判にかけられていない。ポーランド、少し遅れて18世紀のハンガリーでは激しい魔女狩りが起こった。イングランドでは1590年代がピークであったがすぐに衰退した。対照的に隣接し17世紀以後に同君連合を形成していたスコットランドでは1590年代~1660年代と長きにわたっており、一方アイルランドではほとんど見られなかった。北アメリカの植民地ではあまり見られなかったが、1692年にニューイングランドのセイラムで起こった大規模な魔女騒動(セイラム魔女裁判)が例外的な事件であった。それゆえに人々に衝撃を与えアメリカの歴史に暗い影を落とした。同時に、魔女狩りの当時者による公的な謝罪が行われた唯一の事件でもあった[4]。
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