デアゴスティーニのDVDオペラコレクション
娘が買ってきた、デアゴスティーニの隔週刊DVDオペラコレクションNo.2『椿姫』を今から夜更かしして観ます。1,990円で、家にいながらにしてオペラが楽しめるなんて!
娘はNo.1『カルメン』も買ってきたので、既に観ました。これが何と演出は、フランコ・ゼッフィレッリですよ。しかも、創刊号は990円……。
『カルメン』『椿姫』を生で鑑賞したときのことを思い出します。
どちらも金返せ!とまではいいませんが(あの値段であれだけの舞台は、贅沢だったとは思いますが)、わたしの芸術的満足感に打ち震えたい心にとっては満足のいくものではありませんでした。
特に演出に疑問が残ったのでしたが、さすがゼッフィレッリの演出はきちんとした中にも新鮮さを感じさせ、すばらしいと思いました。舞台に立つ出演者たちは、絵画の中で動いているかのようでした。
カルメン役のオブラスツォワがもう少し若ければ、と思わないでもありませんでしたが、あの年齢といくらかふくよかであればこそ、あれだけの円熟味のある声が出せるのでしょうね。ホセも、エスカミーリョも聴かせてくれます。
またカルロス・クライバーの気品のある指揮姿に、うっとりとなってしまいました。
さて、これから鑑賞する『椿姫』はどうでしょうか。
と、既に始まっているのですが、椿姫役のゲオルギューは若くて綺麗です。が、カルメン役をしたオブラスツォワに比べると、声量のなさは歴然としています。全体にウィーン国立歌劇場の『カルメン』に比べれば、このコヴェント・ガーデン王立歌劇場の『椿姫』は迫力に欠けます。
……。
ああっ、主役同士がかぶりつき合った! いや、接吻か……。技術と才能が足りないと、演出も偏らざるをえないのでしょうか? ちょっと我慢できないな、この『椿姫』。オペラを披露するって、大変なことなんだわ! でも、1,990円でこの文句は間違っていますよね。ごめんなさい。
マリア・カラスの『椿姫』を聴き直して、寝ます。同じ硬質でも、カラスのあの声量……あれが恋しくなりました。
一緒に鑑賞していた娘は、とうに爆睡状態。では、お休みなさい。よいシルバーウイークを!
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