Oさんの言葉
耳鼻咽喉科を受診するかどうかで迷っている。喉の状態を診て貰いたいのだが、受診科が増え、望まない形でちんたら受診を続ける……という事態になったりするよりは、まっすぐに漢方専門家のもとへ向かう方がいいのでは……と思ったりもする。
そこで体の不調が治ってしまえば、耳鼻科に行く必要もなくなるではないかと虫のよいことを空想したりもするが、漢方の効果はすぐには出ないことが多いと聞く。わたしの声がひどく変わったので、家族は耳鼻咽喉科で診て貰ったほうがいいのでは……という。
あれこれ悩まされている体の不調を根本的に改善したいと思った動機には、書き仲間Oさんからのよき刺激……真摯さと忠告があった。
彼との文学談話については、記事にしようと思いながらできないままだが、中年になって創作を始めた理由と語られた半生には心打たれるものがあった。
彼には、経済ルポライターをしていたという(話からすると燻し銀のような)人物が恩師とも父親代わりともいえる支えかたをしてくれていたということだが、昨年亡くなり、彼は恩師によくなってほしい一心で初めて小説を書いたという。小説を書きたいOさんの願望を見抜いて、「小説を書け」と恩師はいい続けていたからだった。
話せば長くなるので、やはり記事を改めたいが、その恩師の代わりとまでは期待されていないだろうが、Oさんはわたしに見守ってほしいという。また、わたしは彼が小さい頃に憧れていた小母さんに瓜二つなのだそうだ。彼はわたしより7つも上なのに、わたしを見るときは少年の目になるのだ。
実は、そんな浪花節調の話が自分に降りかかってくることはわたしは苦手で、自分のことが第一だから見守るのは無理だと思うが、経験でわかる文学上の悩みにはアドバイスするといった。
既婚者で病人だから、例え動機が純粋でも、一対一で会うことは例外的な場合を除いてできず、いずれにしても2ヶ月間という車間距離をとってほしいともいい、文学的なことでどうしても訊きたいことがあればそのときはどうぞ、と付け加えた。
Oさんはそれを守ってくれているが、会ったときに澄んだ両眼でわたしをじっと見つめて、心に沁みるような口調でいった。「とにかく、あなたは体を治さなくてはならない。そして書かなくてはならない。ただあなたは、小説というジャンルには留まっていられない人かもしれない」
娘はわたしがその話をすると、「ママってよく、マザー・てれしゃになるよね」といった。そうマザー・てれしゃになって、Oさんや、今は俳句の世界に遊んでいらっしゃるKさん、昨日電話をくれた詩人とわたしが呼ぶ女友達を見守るためにも、もう少し元気になりたい。何より自分が書くために。
さて、耳鼻咽喉科の受診、どうしよう?
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