『ガラスの仮面 44』を読んで
花とゆめCOMICS『ガラスの仮面 44』(美内すずえ著、白泉社)を、一昨日娘が買ってきました。
わあ、と喜びながらも、一昨日は読みませんでした。当の娘も。
「今日はだめ、受け付けない」と、わたしたちはいい、揃って次の日の夜に読んだのでした。
面白いことは読む前からわかりきったことですが、絵柄も内容も濃いので、わたしたちには心の準備が必要だったのです。
で、昨夜読んだ44は、そのうち、こういうことが起きるのでは……とわたしが想像したような展開となっていました。ドラマが動いたということですね。
ネタバレになるので、それ以上は書きませんが、どうでもいい疑問を一つ。
美内先生からは医学的知識が欠落しているのでは?
なぜって、しきりに血を吐く月影先生は肺結核かと思いきや心臓病だったし、それに……。
ただ、このアバウトさが美内先生の魅力の一つともいえますね。
昔、「はるかなる風と光」を読んだときの、身内を走り抜けた清冽な感動は忘れられません。何て雄大な物語なのだろう、と思いました。
美内先生の作品では、物語のなかでどんなに暗い悲惨なことが進行していようとも、常に健康感の充溢があります。病人のわたしには、この上なく良質のパワーをいただけるといった感じです。
わたしは「テレプシコーラ」の山岸凉子先生の大ファンでもありますが、スケールという点では、両者、比較できない大きさを持ち、山岸先生の作風は周到、緻密で、純文学的な深みと洗練を感じさせ、美内先生の作風は霊感的な高揚感を伴う、大河ドラマのような起伏を感じさせます。
ガラスの仮面、次巻が待ち遠しい限りです。
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