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2009年7月29日 (水)

煮詰まった旅行計画

 児童文学作品『不思議な接着剤』のための取材と家族の親睦? を目的とした旅行計画はだいたい煮詰まり、日程と宿泊先が決まりました。

 といっても、予約をとってくれるという息子がJTBに出かけてみないと、希望する宿に空きがあるかどうかはわからないのですが、ネットではまだあるようなので、大丈夫かなとは思っています。

 秋に、湯田温泉の旅館、秋吉台のホテル、萩の旅館に泊まる3泊4日を考えています。

 息子が宿泊代を出してくれるというで、ありがたい話ですが、息子にも社会人ドクターの計画があったりするので、言葉に甘えていいのかしらと考えました。

 でも、結局甘えることになりそうです。

 会社の独身寮暮らしなので、学生時代に比べたら、住居費と食費の心配が少なく、また社会人ドクターの計画にしても、大学とマスター時代の金銭的な大変さが主にそうした生活費の捻出面から来ていたため、2ヶ月に1度の割合で研究室に通うことになるにしても、学費と交通費にはさほど不安はない様子。

 大学は国立だったので、理系であっても学費の心配はそれほど要りませんでしたが、距離的に通学はできなかったため、アパートを借りるなど、何しろ生活費がかかりました。

 返還義務のない奨学金もあったとのことですが、同時に返還義務のある奨学金の希望も出すことはできなかったため、もし返済返還のない奨学金に通らなければ、大変なことになります。それが不安で息子は、返還義務のある奨学金にしか希望が出せなかったといいます。生活の基盤がある今は、むしろそうした返還義務のない奨学金に希望を出すこともできるでしょう。

 息子に旅行のことでメールを送ったときに、前後して研究室の教授から研究に関することでメールが届いたそうで、まだ教授には社会人ドクターの計画については話していないようですが、マスターを卒業したといっても、こうした交流の話をちょくちょく聴くせいか、息子がまだあの研究室にいるような錯覚を起こしてしまいます。

 教授から連絡があると、息子は職場では得られない類の緊張感と昂揚を覚える様子。職場では指導役の上司がつき、まだ研修の続きのような感じなのでしょうが、職場での作業は遊びのようなちょろいものに感じられるようです。

 大変になってくるのはこれからなのかもしれませんが、ある程度はわたしもそうなるだろうなと想像していました。わたしには窺い知れぬ世界のことなので、本当に想像するにすぎませんでしたが、その分野の世界的権威といわれる教授のもとで、研究室の人数は少なく、息子の様子から、求められるレベルには高いものがあるように感じられたのです。

 バイトが欠かせないひとり暮らしの大変さのあるなかで、何とかあの質の高さに対応していっているのだから、就職してからのほうが楽に感じるに違いないとわたしは思っていました。

 就活も異様に大変でした。就職難が一時的に緩和された恵まれた年の就活であったにも拘らず、研究室でしてきたことが、企業の求めを超えたところにあったからです。ドクター卒よりもマスター卒のほうが就職には有利と踏んでいた息子でしたが、企業向きではない研究内容は就活に困難さをもたらしたのでした。

 が、長い目で見れば息子が触れた研究は、現在身を置いている企業にも役立つと、息子は見ているようです。

 息子がマスターコースに進もうとする頃、息子は夫に絶縁状を叩きつけました。ある男性の書き仲間の一人から、男の子はむしろそうであったほうがよい、アットホームの中で育ち、父親から自立できなかった息子ほど悲劇的なものはないと諭されました。

 過激な考えだなあ、でも、もしかしたらそんなものかしらと思ったのは、夫と息子が一つ家にいたときの夫に、雄が他の雄をテリトリー内から追い出しでもするかのような気配をわたしは確かに感じていたからです。そんな風な夫を、わたしは好きにはなれませんけれど。

 不思議と肉親関係に恵まれない人間には、それの代わりとなるような存在が出てくるように思います。研究室の教授はある意味で、父親以上に父親ではないでしょうか。

 息子が里帰りできなければ、こちらから会いに行くまでとわたしは思い、娘も弟には会いたがるので、わたしたち母娘には旅行の機会が増えました。息子とわたしは、知識や情報の交換などで、友人的なつながりの割合が高まってきたように思います。夫は不思議と、わたしたちの旅行に口出しをしません。息子もたまに父親のことを、それとなく案じている風に尋ねたりもします。

 だからこれでよかったという風にはわたしは割り切れませんけれど、こんな家族もありと思うことにしています。 

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