湿っぽい日のつぶやき
昨日今日と体調がよかったので、テア・ベックマンの児童文学作品『ジーンズの少年十字軍』(西村由美訳、岩波少年文庫)の感想を記事にするつもりだったが、体調がよいならよいで、つい雑用に目が行き、結局それで時間が潰れた。
先日、循環器クリニックのあとで行ったB調剤薬局で、薬剤師さんに体調が不安定なことを話し、先の不安に駆られて落ち込むといった。
B調剤薬局の薬剤師さんは何人もいらして、薬に限定された相談以外の話も聞いていただけるのがありがたい。
薬剤師さんには勿論、不安の内容まではお話ししなかったが、専業主婦であるわたしの一番の悩みというか負い目は、金銭的なことだ。只では死ねないという思いがより一層死への恐怖を掻き立てる。
考えてもどうしようもないので、先のことはあまり考えないようにしている……というより、考えられないのだが、今後、わたしは治療でどの程度お金を使うのだろうかと考えると、暗澹たるものがある。
幸い今のところは、あちこちの科にかかっている割には、経過観察が多いためか、時々検査にかかるくらいで、循環器クリニックで処方される薬代がいくらか気になる程度だ。
昨年の入院も検査入院で、夫の付録である妻型の保険金が思ったより降りたため、入院にかかった費用を引いてもお釣がくるくらいだった。が、入院にはそれ以外のお金がいろいろとかかるし、何より、その検査入院は問題の解決にはつながらなかった。
それで無罪放免とはならないだけの灰色を帯びたところがわたしの症状にはあり、今後どうなるのか予測不能であることが混沌とした不安を生む。夫の定年後の生活が予測不能である不安ものしかかる。
体調が悪いと、こうした諸々がわっとばかりに押し寄せてきて、もう何も考えられなくなってからようやく創作に集中できるという風。逆に、体調がいいと、ハイに、楽天的になりすぎ、無駄なことにエネルギーを消費しがちとなる。
薬剤師さんはわたしに力強く助言してくれた。「体調が悪いときには、また必ず体調がよくなると、確信を持って自分に言い聞かせてください」
そういえば、宇佐神宮の御神籤にも、病について「気をしっかり持てばよし」とあったっけ。
気をしっかり持てない原因の一つには、医師が合わないということがあるのかもしれない。名医との評判も高く、人間的にも好感を持ちながら、循環器クリニックの先生をわたしは医師として信頼していない。
呼吸器クリニックの先生はわたしの喘息を発見してくれた恩人だけれど、喘息の薬フルタイド(吸入ステロイド)は、わたしにはどうしても合わない気がしてしまう。薬を替えたいということはフルタイド主義者の先生を替えたいということだ。
フルタイドを少し多めに使うと鼻が腫れる。声も以前とは変わってしまって、高音域を出そうとすると掠れる。
循環器クリニックも呼吸器クリニックも内科でもあるので、たびたび左乳房の下の痛みについては伝えてきたのに、その部分の触診すらない。左側だと何の心配も要らないというのが、わたしには理解できない。
検査を受けた上でそういわれるのであれば納得できるのだが……。ネットで調べると、その辺りにある臓器は膵臓みたいだが、それ風の消化器症状はないので、昔いわれた慢性膵炎ではない気がする。
昨日も娘に見て貰い、触っても貰ったが、左乳房の真下が腫れているようだ。食事をとるとその部分が圧迫痛という感じで数時間痛むので(我慢できないような痛みではないが)、このところはずっと1日1食にしている。夕飯をしっかりとっているので、いくらか痩せはしたが、体調は悪くない。痛みも、1日1回になり、楽になった。
このことについては、来月の内科受診の際にU先生にお話しするつもりだが、その前に肝嚢胞の造影CTを受けることになっていて、それで異常がなければ、先生もやれやれというところだろうに、そこへまた左乳房の下が痛むなどとは如何にもいい出しにくい。
が、どうしてもわたしは気にかかる。いわなければ。額の腫瘤がすこやかに育っているのも気にかかる。見た目にはわからないが、触るとしっかりしてきた。硬い骨腫だとすれば、ここも手術をすれば、陥没するのだろうか。膝と股関節の不安定さは、何だろう? MRIで何も異常が写っていなければ、このまま過ごさなければならないのだろうか?
体はこんな調子だが、文学的には充実している。
当面は推移を見守るしかない諸々の事柄に気をとられ過ぎて、そのための貴重な時間を削ぐことはやめよう。このつぶやきの記事を書き上げたら、ベックマンの作品に戻りたい。
『ジーンズの少年十字軍』という名の本を手にしたわたしは、少年十字軍という歴史上最も、といってもいいような愚行をどう解釈し、それをどう児童物に仕立てられるのか、皆目見当がつかず、眉をひそめてしまった。軽々しく採り上げられたのだとしたら許せないという気がした。
そして期待もせずに読み始めたのだった。子供たちにそこまでは無理だろうと思われる箇所にはたびたび出くわしたが、いや、すばらしかった。それは、少年十字軍のルートの調査、資料調べのすばらしさでもあった。ベックマンの創作には、よい意味で、児童物だからという手加減が一切ない。
『ジーンズの少年十字軍』を読みながら、阿部謹也著『ハーメルンの笛吹き男』(ちくま文庫)を連想した。どちらも13世紀のドイツに照明を当てている。
奴隷売買、魔女裁判という重苦しい歴史上の実際の事件がベックマンの作品には題材として取り込まれている。子供たちを一体、そこでどう生かすのか、どう生かせるのか……ベックマンはわたしの問いに見事に答えてみせた。
※予告をすると書かずに終わりそうなので、お約束はしませんが、『ジーンズの少年十字軍』について記事にしたいと考えています。
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