井上薫著『裁判官の横着』( 中央公論新書)
書店勤務の娘が、このような本が出ているというので、読んでみたいと思い、買ってきて貰いました。
中公新書ラクレ 292『裁判官の横着 サボる「法の番人」たち』(井上薫、中央公論新社、2008年)
著者は、判事職を経た弁護士。
これは私事ですが、肉親の目では、何らかの精神疾患を疑わざるを得ない父夫婦だけれど、生活がきちんとなされているために、人権保護の観点から病院に連れて行くこともままならず、遠巻きに見守ってきて10年。
その父夫婦にあらぬ訴えを起こされて一昨年に調停(不成立)、そして現在、同じようなあらぬ訴えを起こされて地裁で裁判中。
初めての裁判は、驚きと疑問の連続でした(興味がおありのかたは左サイドバーからカテゴリー「父の問題」へどうぞ)。
交替する前の裁判官が、どう見ても訴状を読んでいないとしか思えなかったことが、その一つでした。
ネット検索をしてみると、実際にそのような裁判官はいるようでしたが、前掲の著書にも「第二章 訴訟記録を読まない――弁護士に怒られる裁判官」とあります。
目次をご紹介してしまいますと、
まえがき
第一章 和解を勧める――当事者のため? 自分のため?
第二章 訴訟記録を読まない――弁護士に怒られる裁判官
第三章 法廷での内職――似顔絵、別の事件の起案、居眠り……
第四章 現地検証をしない――想像で判決を書く危うさ
第五章 蛇足判決を書く――長く書けば書くほど楽
第六章 判例に服従する――自分の頭で考えなくなった
第七章 控訴審での一審判決引用――読む人の苦労をまったく考えない
第八章 最高裁判決の三行半――これぞ究極の「横着」
世の中に藪医者と呼ばれる医者がいることは知っていましたが、藪裁判官がいるかもしれないなどとは考えたことがありませんでした。恐ろしい話です。またこれが恐怖映画の中の出来事ではなく、わが国の現実であるとすると、恐ろしい話では済まさせない重大問題です。
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