裁判沙汰への占星術的アプローチ
過去記事で、父夫婦のホロスコープを見ていると書いたが、2人共、意外にも太陽が弱い。奥さんのノー・アスペクトの天体の多さから見ても(水星、金星、土星がノー・アスペクト)、しっかりした指揮をとってくれる人が必要だろう。残念だが、父では役不足だと思う。父も指揮者を必要とするタイプだからだ(父と暮らした経験からしても、占星術的に見ても)。2人きりの暮らしは、盲目が盲目の手を引いているようなものだろう。
幸い2人共、社会を意味する木星、福祉を意味する海王星はイージー・アスペクトを作っているので、わたしがそれほど心配しなくても、孤独のうちに放置されるようなことはないと思う。
むちゃをしているようで、2人共決定的な目に遭っていないのは、相手を選んでむちゃをいっているからであり、手に負えないようでありながら、どこか素直で、甘え上手だからだと思う。
奥さんは、海王星と冥王星が複数のイージー・アスペクトを作っており、魚座のわたしや蠍座の父妹からは善意を引き出せているのではないだろうか。
奥さんの攻撃力を意味する火星が、法を意味する木星とトライン、海王星とセクスタイルで、今回の裁判は奥さん主導で父がついていっている印象だったが、なるほどと思う。攻撃を楽しめる羨ましい配置だ。
それに比べて、わたしと妹は火星に弱点がある。ノー・アスペクトなのだ。攻撃力をどう使ってよいかわからず、他人から迷惑をかけられたり、セクシュアル・ハラスメントに遭いやすい(妹も奥さん同様、ノー・アスペクトの天体が多く、火星以外にも木星、天王星がそうだ。妹が状況や寄り添う相手によって人間が変わるように見えるのは、このためだろう)。
ただ木星は増殖も意味し、奥さんの木星は、異常性をも意味する天王星とスクエアだ。それに、この天王星は幻想・妄想を意味することもある海王星ともスクエア。
エキセントリックな妄想がとめどもなく拡散する傾向があり、父たちの準備書面や書証が膨れ上がった裁判での光景は、これら天体の影響を戯画化したかのようだ。
父は天王星の年齢域にあるが、この天王星は木星とセクスタイルで、この時期に父が裁判を起こしたのも頷ける。
法を意味する木星のサビアンシンボルを調べていて、笑ってしまった。
松村潔『決定版!! サビアン占星術』(学習研究社、2004年)から引用させていただくと、父の木星は双子座15度で、サビアンシンボルは《会話をしている二人のオランダの子供》。交流するために盛んに議論する子供たちが、父の法的立場、傾向をシンボライズしている。
奥さんは牡羊座13度で、《成功しなかった爆弾の爆破》。
わたしは蠍座2度で、《割れたビンとこぼれた香水》。1度が観光バスなのだが、そのバスが事故に遭い、極限状態に陥った仲間の本心が……奥底にある気持ちが、こぼれた香水のように現れてくる状況なども意味するそうだ。
奥さんの爆弾でわたしたち被告の精神状態は、まさにそのような状態にあった。でも皆、素敵な人たちと改めてわかり、わたしはよい香りを嗅いだ。
わたしはこの木星の年齢域に入ってから借家が台風で壊れ、夫に心のビンを割られ、外科手術で頭蓋骨を抉られ、裁判で上記の状態に陥った。この年齢域はあと4年は続く。
身が持たないので、早く次の土星の域に入ってほしいと思うけれど、この時期はノスタルジックな情感を刺激する創作には向いているようだ。その気になれば、カリスマ性も発揮できるかも。
わたしの土星は射手座25度で、《玩具の馬に乗っている小太りの少年》。
土星は天職を意味する天体でもあるから、作家にぴったりといわれるサビアンシンボルを持つ土星の域に入ったとき、わたしは作家になっているだろうと楽天的に想像している。太るとは、射手座では教養の過剰を意味する。何にせよ、今の木星の域には疲れた……。
妹の木星は山羊座30度で、《秘密のビジネス会議》。妹も木星の年齢域にいる。
本には「サビアンシンボルでは、すべてのサインで30度はどこか漫画的なバカバカしさを持っています。というのも、これまで長く親しんできたサインへの執着から離れるには、サインの価値への自己同一化からの突き放しが行われるからです」「山羊座ではフリーメーソンの秘密会議のような胡散臭いイメージが与えられます」とあるが、妹の木星が父たちの起こした訴訟をシンボライスしているとするなら、何てぴったりなのだろう! この裁判沙汰は、バカバカしく滑稽だから。
4人のサビアンシンボルは、父夫婦を原告とする今回の裁判をよく物語っているように思える。
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