杉田久女の桜の句をご紹介
過去記事で予告しました、杉田久女の桜の句を『杉田久女全集第一巻』(杉田久女著、立風書房、1989年)よりご紹介します。三の楊貴妃桜を詠った諸句のうち二番目の句は、名句の多い久女の句の中でも特によく知られた句です。わたしは三の最後を飾る句も好きです。
桜の句
一 延命寺(小倉郊外) 三句
釣舟の漕ぎ現はれし花の上
花の寺登つて海を見しばかり
花の坂船現はれて海蒼し二 阿部山五重桜(花衣所載) 四句
傘をうつ牡丹桜の滴かな
うす墨をふくみてさみし雨の花
雨ふくむ淡墨桜みどりがち
花の坂海現はれて凪にけり三 八幡公会クラブにて 六句
掃きよせてある花屑も貴妃桜
風に落つ貴妃桜房のまゝ
花房の吹かれまろべる露台かな
むれ落ちて貴妃桜房のまゝ
むれ落ちて貴妃桜尚あせず
きざはしを降りる沓なし貴妃桜
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