準備書面に取り組む①
民訴の学習をしながら準備書面に取り組むというライフスタイルが定着しそう。その合間に家事、ブログなどをすることになる。同人雑誌に新しい作品を書くのは無理で、批評風エッセーに手を加えて提出することになりそうだ。
民事裁判の仕組みはだいたい呑み込め、次回の口頭弁論までに提出しなければならない準備書面というものが何であるか、裁判におけるその位置づけに関しても呑み込めた。
日本の裁判は書面重視であって、西洋で弁護士が流暢に弁論するあのカッコいい図は、日本ではあまり見られないもののようだ。山本和彦著『よくわかる民事裁判〔第2版補訂〕――平凡吉訴訟日記』(有斐閣)に、「法律上は、準備書面は口頭弁論の準備のために提出されることになっていますが、実際には口頭弁論は準備書面の提出期限(締切日)としての意味しかなく、期日自体は次回期日の決定およびそれまでに行う作業の打ち合わせを中心としたセレモニーと化していることも少なくないのです」とあるが、本当にそんな感じ。ナンだか、裁判や弁護士に対するイメージが変わってしまった。
その作業の打ち合わせで、次回の口頭弁論までに、原告との身分関係、仲が悪くなった経緯など準備書面に書いて提出することになったわけだ。
- 原告との身分関係
- 原告との仲がおかしくなった経緯
- 原告の請求の原因に対する否認
という感じで書いていこうと思う。答弁書を書く前に、参考書を読んでしっかり書いておくべきだったと思うが、まず裁判所に出かけてみないことには全くぴんと来ないというところがあったので、まあ仕方がない。
原告の準備書面で、わたしの名が3箇所挙がっている。どれも否認することになるが、そのうちの一つに関して下書きした。他の一つは、わたしが知りもしなかった父の(使い古された?)財産に関することなので、証拠の提出を求めるしかない。残る一つは、父が探偵を使ってわたしたちの住所を探ろうとしたけれど、わたしたちが探らせなかったという理由で、損害賠償を請求している。こんな馬鹿な話ってあり?
実は、父の雇った探偵から電話がかかってきたことがあったのだ。彼の話によると、「娘さんたちの調査を頼まれたのですが、依頼主であるお父様のおっしゃっていることがどうもおかしいので、普通はこのようなことはしないのですが、お電話してみたのです」
彼は父を認知症ではないかと思ったらしい。彼の父親も同じくらいの年齢なので、他人事とは思えなかったそうだ。同情してくれた。彼はわたしたちの住所を教えなかったらしい。それでも準備書面によると80万円を父は探偵に支払ったみたいだ。わたしと妹に50万円ずつ請求している。この請求額はどう算出しているのか。
何しろわたしは全額で10,000,000円以上、妹となるともっと凄くて、40,000,000円以上請求されている。わたしたち姉妹のつましい暮らしとはかけ離れた金額に驚く。第一、弁護士を雇うお金どころか裁判所までの旅費にも苦労しているというのに。
そして一層おかしなことには、父はわたしたちが住所を探らせなかったという理由で損害賠償を求めておきながら、訴状にはわたしたちの住所ばかりか電話番号までしっかり記しているのだ。ああ頭が変になりそう。尤も、妹の住所には別宅ありとしているけれど。
また、父は調停のときに、使い古された通帳やら保険証書やら登記簿やらパスポートやらをごっそり持ってきて、わたしたちがそれらを偽装したり改竄したり解約したりしたと攻め立てたが、全部父が持っているというそのこと自体、おかしくないだろうか。今回も、それらお宝が証拠として披露されるのだろうけれど。
こうした馬鹿げたことに弁護士を雇う気になれないのは、わかっていただけると思う。父夫婦はクルクルパーになったに違いないとわたしが考えたとしても、それのどこがいけないのだ?
しかしながら、怖ろしい事に、馬鹿らしいからと相手にしなければ、父夫婦の言い分を認めたことになり、10,000,000円支払わなくてはならなくなるのだ。その疑いを晴らすために弁護士を雇っては如何、手付金は50万円ですと書記官は勧める。悪夢とはこのことだろう。
一つ気になるのは、時々愛人と隠し子のことが出てくることだ。事実のないことを、わたしたち姉妹が言いふらしているのだという。それは初耳だった。まさか、本当に父に愛人と隠し子があったなんてことは……何というミステリーだろうか。
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