ノート1-3 ブン詰まり
例の生者と死者が登場する舞台劇風の作品に、午前中からとりかかったのはいいが、完全にブン詰まり(文詰まり)の症状を起こしてしまった。苦しくてたまらない。実は、この作品についてはもう何ヶ月もこの状態なのだ。
原因ははっきりしている。主な登場人物のうち、B(死者)の人物造形がうまくいかないのだ。
A(生者)のイメージは固まりつつある。この人物は女性で、誰かに似ている。はっきりとしたモデルがあるわけではないのに、こちらはありありと見える。どこの国の映画だったか、西欧の映画で観たある女性の登場人物にタイプがよく似ている。
内向的で、落ち着きがあり、静的というか、動きの少ない人物。粘り強くて、物事を諦めない、専業主婦であるが地域の仕事などはそつなく引き受け、家事はさほどの情熱もなく淡々とこなすような人物。間違っても、ブログに料理の記事をアップして喜ぶようなタイプではない。
つまり、作者であるわたしと正反対であるような人物が主要人物の一人というわけだが、なぜ、この人物像がこの作品に居座ったのかがわからない。この人物は語り手にはふさわしくない気がするので、語り手は第三者でいこう。
ブン詰まりの遠因としては、この人物Aの好みがわたしにはあまりわからないということ。そうであるために、彼女が執着し、思想闘争ともいうべき無言――言葉そのものというより、気配や雰囲気で交わされる――の緊迫感に満ちた対話の相手Bにふさわしい人物像がもうひとつ造形できないというわけだ。
ノート1-1に書いたように、アウトラインは描けているのだが。彼はぼんやり、影のようには出現しているけれど。
今週中に10枚どころか、その半分でも書けるかどうかわからないが、とりあえず生者である彼女をめぐってスケッチしていこう。のっけから死者の男性を出現させるわけでもないから、まずは彼女の生活に生じた歪(予兆)を丁寧に描き出すのだ。
この創作ノート、他人には意味不明な寝言を綴ったようなものに映るかもしれない。カテゴリーが増えるばかりだが、新カテゴリー「創作ノート」を作った。
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