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2008年11月 9日 (日)

7日の立冬にちなんで、橋本多佳子の句をご紹介

 うかうかしているうちに、立冬も過ぎてしまいました。杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの俳句紹介もさぼりがちで、いけないなあと思っています。

 立冬から雪を連想し、雪から、わたしは橋本多佳子を連想しました。そこで、杉田久女に俳句の手解きを受け、その後、山口誓子に師事した橋本多佳子の遺句集『命終』から少しばかり、ご紹介したいと思います。

 橋本多佳子の句には、どこか中途半端なものが多いようにわたしには感じられて、それほど好んではいないのですが、勿論すばらしい句が沢山あり、特に、死期に近い頃に詠まれた句には透徹したものが感じられて惹き込まれます。

 迫りくる死を意識する、その意識の高さが句にえもいわれぬ輝きを与えたのでしょう。

雪はげし化粧はむとする真顔して
雪映えの髪梳くいのちいのりつつ
ガラス透く春月創が痛み出す
晩春やベッドの谷に附添婦
一羽鳩春日を二羽となり帰る
風に乗る揚羽の蝶の静止して
雪の日の浴身一指一趾愛し
雪はげし書き遺すこと何ぞ多き

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