入院前の循環器クリニック受診:実り多き会話
かかりつけの先生方とは系列の異なる病院に入院するはめになったことを気に病みながら、循環器クリニックのドアを押した。
受付で、別の異常で別の科に入院することになったことを先生にご報告したいと告げると、「受診になりますが、よろしいですか」と訊かれ、受診もするつもりで来たので、「はい」といった。
いつになく緊張してソファに腰掛けていた。やがて、体重・血圧測定と問診を看護師さんから受けるために呼ばれた。
もうすっかり馴染になっている看護師さん3人のお顔を見たとたん、箍が緩み、わたしは一部始終をぶちまけ、興奮し、揚句に瘤を自慢(?)してしまった。
看護師さんたちはわたしの話にちょっとビビり、気遣わしげにしながらも、プロの冷静さで、先生に報告しなければならないわたしのまとまりのない話を記入したり、血圧を測ったりしていた。が、ついに彼女たちは好奇心を抑えきれなくなったらしい。
看護師さん2人に、頭の瘤は触られた。瘤が人気者なのはいい。しかし、触られすぎた刺激からということもないだろうが、このところ急速に育った気がする。昨日夫に触って貰ったら、「ホントだ……おっきくなってる……」と驚いていた。
気のせいではないと思う。まだ髪で隠せないほどではないが、このまま大きくなると、いずれ隠せなくなるに違いない。となると、副甲状腺の手術をするしないとは別に、この瘤を手術でとって貰う必要が出てきはしないだろうか。
ちなみに看護師さんのお1人は、わたしとは逆に頭に窪みがあるそうだ。生まれてくるときに鉗子に挟まれたせいで、頭蓋骨が凹んでしまったのだという。わたしも看護師さんの頭を触った。かなりの窪みだった。
わたしの凸と看護師さんの凹を足して2で割ったら、ちょうどいいのだが。
またしばらく待って、いよいよ診察室へ。先生のお顔を見て、また箍が緩んだ。先生は看護師さんの報告を受けて、すでに一部始終をご存知だったが、わたしは改めて話した。
「副甲状腺かあ。甲状腺は触ったら、大きいよね。でも、それではなくて、副甲状腺ねえ……頻脈はその影響かもしれないなあ……」と、ひとりごとのようにおっしゃる。
その言葉にわたしは飛びつき、急き込んでいった。「先生。もし、副甲状腺が原因だとしたら、全てが一気に解決ということもありえますよね?」
つらい頻脈や、そこから派生した冠攣縮性狭心症、喘息、体力の低下。また骨の異常。パワフルであっていいはずの中年期をよぼよぼと過ごさなければならないこの忌まわしい生活と、オサラバできるのではないだろうか?
そのわたしの質問に対しては先生ははぎれのよい返事はなさらなかったけれど、半分は肯定なさったような感触があった。
「ところで、先生。腫瘤が悪性だったら、どうしましょう?」というと、「ああ、それはない」と静かにおっしゃった。フワリと温かなものに包まれるような感じがあり、わたしは気持ちが明るくなった。
「では、入院は日赤の内分泌科ですね?」と先生。「いえ、内科です」とわたし。内分泌科はなかったはずだ。が、内部では専門に分れているようで、わたしが日赤でかかっている内科のU先生は内分泌・糖尿の専門医らしい。
「U先生には、何人か糖尿で診て貰っているよ」と、先生。つながりがないというわけではないらしい。
そして、脈、喉。頭・両脚の腫瘤の触診。
頭の大きな瘤に触ったとき、先生ははっとされ、左脚の平べったい腫瘤に触れたときにもちょっと驚かれた様子で、考え込まれているような雰囲気が伝わってきた。瘤たち、本当に成長がよいからなあ。
「よく診て貰ったほうがいいね。入院は、さっそく12日からかあ。ここでのことは、飲んでいる薬も含めて、よく話しておいてください」と先生。
結果は、報告するようにとのこと。また、もし手術をするようであれば、事前にそのことをクリニックに電話するようにとのことだった。
それから、ここからは余談になるが、わたしはエクスパック500で先生に宛てて、わたしの短編『侵入者』の掲載された同人雑誌と、同人雑誌評欄で〈今月のベスト5〉に選ばれたときの「文学界 7月号」をお送りしていた。
先生はリラックスした、もの柔らかな雰囲気を醸して、「読ませて貰っているよ」とおっしゃった。
「いつか、わたしの小説を読みたいとおっしゃったでしょう? それを真に受けて、お送りしました。もしかしたら先生は文学おじさんかな、と思ったものですから」というと、先生は笑って「おじさんじゃないよ~」とおっしゃった。おにいさんとは思えないが。おじいさんはあんまりだし。
「ご迷惑だろうなと思いながらも、先生のお蔭で創作できているという感謝を籠めて、いわば捧げ物としてお贈りしました」と、わたしは真実の気持ちを吐露した。
「いやあ、凄いよ。賞をとってください」と先生。(賞は無理です、先生。でも、きっと作家になって恩返しをしますよ)と、わたしは心の中でつぶやいた。
今日という日は、よきホームドクターに恵まれた喜びを存分に味わった日となった。
これで元気に入院できそう。今から、今度は呼吸器クリニックに行く予定。呼吸器クリニックの先生にも、きちんと報告できるだろうか。緊張感が戻ってきつつある。
昨日、社会保険事務所へ出かけ、高額療養費制度を利用するために、事前の申請を行った。この場合、発行は北九州市にある社会保険事務所になるので、取り次いで貰うかたちとなり、自宅に認定証が届くのは1週間後くらいになるという。
もしそれ以前に退院・支払いということになった場合は、認定証の交付を申請している旨、支払いの窓口でいうようにとのことだった。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 日本色がない無残な東京オリンピック、芥川賞、医学界(またもや鹿先生のYouTube動画が削除対象に)。(2021.07.20)
- 芸術の都ウィーンで開催中の展覧会「ジャパン・アンリミテッド」の実態が白日の下に晒され、外務省が公認撤回(2019.11.07)
- あいちトリエンナーレと同系のイベント「ジャパン・アンリミテッド」。ツイッターからの訴えが国会議員、外務省を動かす。(2019.10.30)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その17。同意企のイベントが、今度はオーストリアで。(2019.10.29)
- あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その16。閉幕と疑われる統一教会の関与、今度は広島で。(2019.10.25)
「創作関連(賞応募、同人誌etc)」カテゴリの記事
「健康 №2(体調) 」カテゴリの記事
- コロナ禍においても、極めて冷静な某クリニックに出かけました。白血球数、肝機能正常、がんの兆候もなし。イベルメクチン最高!(2022.05.21)
- イベルメクチンについて、久しぶりにツイート(2022.02.04)
- (12月7日に動画を追加)厚労省は、モデルナとファイザーの新型コロナウイルスワクチンで、重大な副反応「心筋炎」が起きていることをついに認めました(2021.12.06)
- イベルメクチンのおかげ(19日、起床時は風邪気味→3時間後に軽快→予定の循環器クリニックの受診を平熱で無事済ませる→夜、ウォーキング)(2021.11.21)
- 岡山大学病院でイベルメクチン療法の開始。ロックフェラーはどのようにして製薬業界の基盤を作り上げたのか、またビル・ゲイツの意外な経歴がわかる動画。対照的なイスラエルとルーマニア。イベルメクチンをめぐる個人的なこと二つ。(2021.09.09)
「健康 №4(入院)」カテゴリの記事
- Kさんのこと(2009.02.03)
- 助かる……(2008.10.11)
- 16日に循環器クリニック受診(2008.09.17)
- 11日に脳神経外科受診(2008.09.15)
- 生検の結果~やはり良性の骨腫瘍(2008.09.10)
「健康 №3(受診)」カテゴリの記事
- コロナ禍においても、極めて冷静な某クリニックに出かけました。白血球数、肝機能正常、がんの兆候もなし。イベルメクチン最高!(2022.05.21)
- イベルメクチンのおかげ(19日、起床時は風邪気味→3時間後に軽快→予定の循環器クリニックの受診を平熱で無事済ませる→夜、ウォーキング)(2021.11.21)
- 9月に循環器クリニック受診(先生に、反ワクチン派から誹謗中傷の手紙が届いたとか)。反ワクチン団体を調べればきりがない。毛細血管レベルの血栓とDダイマー。(2021.09.20)
- 9月に内科受診(イベルメクチンの服用を始めて3回目の血液検査)。高市議員に望むこと。(2021.09.14)
- 5月に循環器クリニック受診(自己責任でイベルメクチンの服用を始めてから初の胸部レントゲン、心電図)。新型コロナワクチンに関する異常なニュース。(2021.05.25)