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2008年8月25日 (月)

入院14日目⑤読書ノート∥オルハン・パムク『雪』№1

〔読書ノート∥オルハン・パムク『雪』1〕
本日、47頁まで。

雪を効果的に活用しようとするパムクの工夫が、伝わってきすぎる嫌いはあるが、表現は引き締まっていて美しい。
トルコの複雑な政治情勢に、主人公Kaと共に引き込まれていく。

『国境の町新聞』社長セルダル氏の言葉。
「以前は、ここでは誰もが兄弟でした」「しかし近年では、俺はアゼルバイジャン人だ、俺はクルド人だ、俺はテレケメだなどと言い始めました。もちろんここにはあらゆる人種がいます。テレケメはカラカルパクとも言い、アゼルバイジャン人の兄弟です。クルド人は部族と言われていますが、以前はクルド人なんて知りませんでした。オスマン・トルコの時代からそうだったのです。オスマン・トルコの後裔の土地の者も、『おれは土地の者だ』といって誇りはしませんでした。トゥルクメン、ポソフ、ツァーが流刑に処したドイツなどあらゆる者がいましたが、誰も自分にどこか違った何かがあると言って誇りはしませんでした。これらの誇りは、トルコを分割させたいコミュニストのエレヴァンとバクー放送が広めたのです。今日では誰もが以前より、より貧しくより誇り高い。」

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