友人の詩をご紹介~行織沢子小詩集・作品4|赦し
大学時代からの友人(文芸部の先輩)の詩を、ご紹介します。友人は行織沢子というペンネームを一貫して用いてきましたが、福岡大学文芸部の機関誌に作品を発表した当時もそうでした。
今回ご紹介する行織沢子の詩4編は、詩部門機関誌「シャバ」及び掲載の主眼を小説においた「福大文学」に発表されたものです。
INDEX
作品1|あこがれ ・・・・・・ シャバ13号、1975年
作品2|盲人 ・・・・・・・ シャバ13号、1975年
作品3|現身(うつそみ) ・・・・・・ 福大文学34号、1976年
作品4|赦し ・・・・・・ シャバ14号、1977年
赦し
・・・・・・・・
君は悪い鏡のなかの
燃える菓子皿だ
君は不当に視つめられた
赤い歯ブラシだ
君は恋する人の
あの非凡な速力だ
影のように付き纏う
君の翳りのような言葉
それとは裏腹の
愛のたえ間ない手
君は信じる以前
の荒地の生命だ
君の忘却の深さから
夢みられた赤い本立
耳に囁かれる風
散歩路で出遇う焼けた空
テーブルが出迎える街
羊水の中の国境のない昨日
朝のメモワール
日の墓
岸辺のなぞり
いのりの
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