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2008年7月20日 (日)

友人の詩をご紹介~行織沢子小詩集・作品2|盲人

 大学時代からの友人(文芸部の先輩)の詩を、ご紹介します。友人は行織沢子というペンネームを一貫して用いてきましたが、福岡大学文芸部の機関誌に作品を発表した当時もそうでした。

 今回ご紹介する行織沢子の詩4編は、詩部門機関誌「シャバ」及び掲載の主眼を小説においた「福大文学」に発表されたものです。

 INDEX

   作品1|あこがれ ・・・・・・ シャバ13号、1975年
   作品2|盲人 ・・・・・・・ シャバ13号、1975年
   作品3|現身(うつそみ) ・・・・・・ 福大文学34号、1976年
   作品4|赦し ・・・・・・  シャバ14号、1977年

 

 

   盲人

 

暗い谷間に日の昇る
わたしを見つけて君は云う
はるかな幻影と没落を祈り
うたうはさびしく絶えた公会堂の人ごみ
天主堂で乱れちる
君に自我の責苦を覗かせよう
アイのギラギラする爪で
君の土色の肌を抱きながら
分裂とコンプレックスにあえぎながら
ことばがわたしたちのものであった時代に向けて
脳波を焦がし
わたしでしかないわたしのために
純粋理性と神話のトンネルをくぐりぬけ
祈りを誰にも相続させずにわたしは
発狂していく
ことばはさかのぼり
ああ
いまわたしを処刑するつもりか
長い坂
流転の谷
真理なんてあってはこまるから
動物たちのことばをおしえてください
クリスマスがわたしのはばたきです
映画を見ない風を見よう
汗のストーリーに耳垢をそえて
君の食卓にパイプで決闘
わたしの明日は
ペーパーナイフ・ライター 

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