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2008年4月 9日 (水)

ひとりごと(息子の就活16~混線の挙句の残念な結果、連載中の児童文学作品について若干)

 息子の就職活動も山場を迎えましたが、ここで事故としか思えない不運な事態が発生してしまいました。

 旧財閥系の総合化学メーカーに教授のコネがあるようなないような話は、実は強力なコネとして働いていたらしいことがわかりました。が、そのコネは奇妙な混戦状態を作り出してしまったようなのです。結果、息子は落とされた、としかいいようがありません。

 息子が不合格になるまで知らなかった事情として、教授の知り合いは実はそこにひとりではなく、2人いらしたとのことです。製造技術とシミュレーションに。そして、もう一つ息子が知らなかった事情として、同じ研究室の助教授についているドクターの先輩も、推薦を受けていたということでした。

 シミュレーションに2人の人間はいらないから、専門性の高いドクターの先輩をシミュレーションに、息子には製造技術のほうにということで話が来たということだったのでしょう。

 ところが、そこのところが息子にはよく伝わっていなかったため、研究開発職につきたいという希望を強調して、製造技術の話を断った格好になってしまったらしいのですね。

  結果、落とされたということらしいのです。

 実はそのメーカーは息子の第一志望だったようで、研究開発職につきたいという息子の希望は変わらない――ただしシミュレーションにこだわるつもりはなかった――ため、もしきちんと説明を受けていれば、推薦はお断りして独力で受験しただろうといいました。

 わたしは正確な事情を把握していないため、想像で物をいっているようなところがありますが、コネの話がだいぶん混線してしまったことは確かなようで、教授が息子にずいぶん謝られたとか。

 わが国で総合化学メーカーとしてはトップのその会社に入るという息子の望みは、絶たれてしまいました。

 そのうえ、息子はそのメーカーに執着があったのに、通ったドクターの先輩はそれほどの気持ちでそこを受けたわけではなく、もしかしたらポスドク(ポストドクター。雇われ研究者)になるかもしれず、蹴る可能性もあるということです。

 こうした事情はあとになってこちら側の関係者全員にわかったことで、悪気のあった人間は1人もいなかったために、息子としてはどこにも悔しさのぶつけようがないわけです。

 息子は「第一志望の会社に入れなかったのは残念だけれど、もともと独力でやるつもりだったのだから、初心に帰って頑張ろうと思う」といいました。

 就職向きではないとわかっていながら、あえて息子が選択した研究室でした。こうした不運が起きる可能性もひっくるめた総合的な魅力を選択したともいえましょう。

 シミュレーションに進んだのでなければ、今頃は友人たちのように、中小企業を沢山受けて、どれかに内定していたのではないかと思う、と息子はいいます。

 マスターコースで専門性の高いシミュレーションを選択したために、「帯に短し襷に長し」という戦略的な弱さを持ってしまったことは否めないようです。

 ただ息子は、教授の魅力に惹かれてシミュレーションを選択したと思っているようですが、息子を知るわたしには、息子は適性があるために、シミュレーションを自然に選択した可能性が大きいのではないかと思えるのです。

 というのも、高校時代、息子は憧れている化学より数学の成績がよく、数学に進めばいいのに、とわたしは思ったくらいでした。分子シミュレーションは化学と物理のハーフという感じの研究内容のようで、数学的な要素が大きいようです。

 数学は子供の頃から得意で、数式を見ただけで一瞬で霊感的に答えがわかることがあるといっていましたし、自分で公式を作ったりしていたくらいでした。

 でも、憧れは化学者だったのですね、その頃から。数学には適性がありすぎて、空気のように意識していない雰囲気がありました。尤も、息子は「実験は上手だよ」といいますが。

 いろいろ考えれば、息子は本当はドクターコースまで進んだほうがよかったのかもしれませんが、経済事情が許しませんでしたし、一般にはドクターにまで進むと就職が困難になるということがあるようです。

 息子が初心に帰って就活を続けるといっているのですから、わたしはそれをこれまでのように応援するだけです。

 でも、息子の例からもおわかりでしょう、就活の裏側ではかくもコネが働いているのです。

 今回、息子の場合はそれがむしろ不運をつくり出したとはいえ、コネが作用しているのを現実に傍観してみると、コネなしで就活することの大変さは、はっきりしています。

 わたしは、今後の息子の幸運を祈るばかりです。

 ところで、わたしは息子の就活を応援して、化学系のメーカーについていろいろと調べるうちに、興味がわいてきました。

 ジュゲムブログ「マダムNの児童文学作品」で『不思議な接着剤』という児童文学作品を執筆、連載しているのですが、ここではぼんやりとしか姿をあらわさない〈アルケミー株式会社〉を第2作以降は表に出して、物語を紡ぎたいのですね。

 時空を超えて商売の手を拡げるアルケミー株式会社は、様々な研究者(第1作で登場する中世の錬金術師もその1人です)、工場と取引があります。

 息子がどんな会社に入るにせよ、話を聴かせて貰って、その化学系の話を物語にとり入れたいと思っているのです。

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