ランジェ公爵夫人
書店勤めの娘がバルザック著、工藤庸子訳『ランジェ公爵夫人』(集英社)を買ってきました。
映画化されたようで、金色の帯に映画からの写真と「岩波ホール創立40周年記念作品 4月5日より 全国順次公開」とあります。ジャック・リヴェット監督。
カバーの内側の部分には「わたしは抗しがたい力で愛されるか、さもなくば冷酷に棄てられたい」とありました。
映画とかその写真とかは見ずに、まず作品を読むほうがいいでしょうね。何せバルザック描く貴族のご婦人がたは、気品に満ちていますから、あれを演じろなんて無茶ですよ。
わたしは東京創元社から出ているバルザック全集を揃えたときに、ああこれで主だったものは読めると安堵しましたが、どうしてどうして。まだまだあるよ、とばかりにあちらこちらの出版社から新しいものが訳されて出てくるのには嬉しい悲鳴。
バルザックさん、一体どうやったらあれほど沢山書けるの?
今わたしの前には胸の高鳴るバルザックの本、テレビに差し込んでいるヘッドホンからはロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団奏でるベートーベンの交響曲。
でも実は狭心症の発作が起きそうな危うい胸の状態で、テープを貼り、ニトロ舌下錠を用意して1時間以上経過しました。これだけ携帯で記事が書けるのですが、まだどちらへ転ぶかは微妙なところです。立ち上がったら起きそうで、動けません。舌下錠、あまり使いたくないなあ。また気持ちが悪くなりそうで。
この時期は冠攣縮性狭心症の発作が起きやすいのか、訪問させていただいているブログの同じ病気のかたも、発作が起きたことを書かれていました。
あとで。
発作が起きかけたので、舌下錠で鎮めました。今のところは後続の発作は気配がありません。
ところで、『ランジェ公爵夫人』は、わたしが持っている東京創元社版バルザック全集にも収録されていました。たった今、少し読みかけて、あれと思い、確かめたら入っていました。
それもそのはず、バルザックの《人間喜劇》の中では有名な『十三人組物語』と名づけられている3編から成るうちの1編ではありませんか。
そう、有名な――、と思い、期待して読みかけて、そのままになっていたのでした。そのときは、あまり面白く感じられなかったのですね。バルザック全集には面白い作品が目白押しですから、わたしは他の作品に行ってしまったのでした。
『シャベール大佐』とか『ラブイユーズ』とか『人生の門出』といった、何も期待せずに読み始めた作品のほうが面白かったのです。
たぶん、わたしは案外、猟奇的な作品が駄目なのです。十三人組にはその臭いが感じられました。
食わず嫌いにすぎないかもしれません。せっかくですから、この機会に有名な『十三人組物語』最後まで読み通してみましょう。
13人の秘密の盟友が、『フェラギュス』『ランジェ公爵夫人』『金色の眼の娘』のいずれにも登場するはずです。『ランジェ公爵夫人』はさて、どちらの訳で? 東京創元社版のほうは、岡部正孝訳です。読み比べるのも、別の楽しさがありますよね。
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