ひとりごと(父の夢)
父の夢を見た。
若々しく正常だった頃の父を夢に見(だが、夢の中の現実でも、父は気が触れているという設定だった)、なつかしくせつなく、あんなにまともだったのにと思うと、胸が潰れるような気持ちを味わった。
考えてみれば、母が亡くなったのは今のわたしより1歳だけ若い48歳だったのだから、わたしより7歳上の今の夫よりも父は少し若かったわけだ。
その若さで伴侶を亡くし、下船、早期退職した父はしばらくは妹と一緒に暮らし、妹が嫁いだあとはずっとひとりで頑張っていたのだ。
それがようやく若い、清純そうな女性とめぐり合って結婚できたと思ったら、その女性にはおそらくは精神病が隠れていて、父はそれをわたしにいわれて恐れ、否定し、いつしか自分までボケていった……とわたしは思っている。
父は気づいていなかったはずがない。父の孤独の深さは、如何ばかりであったことだろう。
周囲を遠ざけ、ロミオとジュリエットになって暮らす2人。夢は何を意味するのだろう! 夢には奥さんは出てこなかった。
目覚めたあとで、泣いたり、ぼんやりしたりしたために時間が過ぎてしまい、すっかり遅くなったが、正午までが午前中の診察時間の受付なので、これから循環器科へ出かけようと思う。
全く途方に暮れてしまうようなことが、わたしの人生には度々起こる。誰の人生もそんなものなのかもしれないが。
あとで。
結局、循環器科へは行かなかった。午前中の診察を受けるには、遅くなりすぎたので。明後日までに行けば、薬は大丈夫。
娘が、中心街のビルに設置された巨大画面に、わたしが通う循環器科の広告が出たという。巨大な画面に巨大な顔の先生が映し出され、先生は虚空を見つめる表情をなさっていたとか。看護師さんたちも映し出され、「わたしたちがあなたの命を救います」という雰囲気が漲っていたという。診察時に、もし立て込んでいなければ、広告のことで先生を冷やかそうかな。
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