生活保護引き下げだと? これではもう日本は文化国家とはいえない
ここ数日、体調が不安定で、気になりながら記事にできなかったのが、厚労省の生活保護引き下げ計画。
以下は産経ニュースからの引用である。
生活保護引き下げ 厚労省
2007.11.30 13:39
厚生労働省は30日、生活保護費のうち食費や光熱水費など基礎的な生活費となる生活扶助の基準を大幅に見直し、生活保護費全体の引き下げを決めた。具体的な引き下げ額は来年度予算編成の過程で詰める見込み。昭和59年から続く算定方法を検証する専門家の検討会が同日、まとめた報告書によると、平成16年に行った全国消費実態調査と現在の基準額を比較したところ、収入が低い方から10%以内の低所得者世帯で夫婦子1人の場合だと約1600円、70歳以上の単身世帯だと約1万2000円、基準額が上回っていた。このため、検討会は基準額の引き下げが可能と指摘した。
このほか、地域によって6段階に分かれていた基準も実際には地域差が小さいと判断。この結果、来年4月からの生活保護費引き下げは、特に都市部の単身世帯に大きな影響が出る見通し。
また、報告書は生活保護を受ける就労者が、受けていない就労者の収入を上回る逆転現象が問題化している点を指摘したが、具体策は示さなかった。
舛添要一厚労相は同日午前、閣議後の記者会見で「反発はあると思うが、きめの細かい手当をして、激変緩和の措置をとる。支給額が若干下がるにしても、生活保護を受けている人の暮らしが立ち行かなくなるようなことは絶対に避ける」と話した。
これは本当に情けないような話である。政府が無情な上様に、というよりは、もはや馬鹿殿に見えてくる。
これは、ワーキングプアの生活レベルが生活保護を受けている人々以下のひどさであるという問題提起を事の発端としている。あくまで、ワーキングプアの生活レベルを引き上げなければならないという方向性をもった事柄だったはずなのだ。
それが、何ということか。生活保護のほうをワーキングプアのレベル目指して引き下げるというのである。何という厭らしさ。とうとうこの国では、こんな頭がおかしくなるような理屈までまかり通るようになってしまった。
そんなにお金がないのなら、もっと賢い外交をして、海外への金銭の垂れ流しを引き締めたらどうだ? 規制緩和の見直しこそ、急務ではないのか?
こんなことでは、もうわが国は文化国家とはいえない。何しろ国は、弱い立場の人々に、可能な限り――食うな、電気をつけるな、水を飲むな、入浴するな、洗濯するな、といっているようなものだから。
しかも、そういう政府の新自由主義政策によって、生活保護を受けざるをえなくなった人々は相当な数に上るはずである。
雛たちを守る親鳥にも似た憲法第25条はすすり泣いている。
第二五条〔生存権、国の生存権保障義務〕すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
この国で生きていくことは、大衆にとって日々困難になっていく。否、政府の浅墓な方針によって、そうされていくのだ。
小泉政権以来、国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の低下及び減退にこれ努めている。
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