よいお年を~ポール・エリュアールの詩『わたしはひとりぽっちじゃない』をご紹介
行く年来る年に想いを馳せながら、フランスの詩人ポール・エリュアール(本名ユージェーヌ・グランデル)の清々しい詩『わたしはひとりぽっちじゃない』をご紹介したいと思います。
よいお年を!
わたしはひとりぽっちじゃない
唇にはさわやかな
果物をくわえ
たくさんのさまざまの
花で飾られ
太陽の腕に抱かれ
かがやかしく
したしい小鳥の
しあわせを持ち
雨のひとしずくに
うっとりとし
朝の空よりも
きれいで
貞節なわたしは庭の話をし
わたしは夢みる
しかもまぎれもなくわたしは愛する。
「エリュアール詩集」(嶋岡晨・編訳、飯塚書店、1973年)