いよいよ山岸凉子『テレプシコーラ』第2部が始まった!
Link 山岸凉子『テレプシコーラ』最終回の感想
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待ちに待った山岸凉子『テレプシコーラ』の第2部が、いよいよスタートした。
ヒロインの篠原六花(しのはらゆき)は、16歳になっている。高校1年生。付属のS中に通っていたから、そのまま同じ付属の高校へ進学したのだろう。
ということは、六花は、中学3年生で自殺した姉の千花(ちか)の年齢を越えたということになる。
華々しい才能に恵まれながら、姉の千花は、左膝の故障から不運に次ぐ不運が重なり、どんどん窮地に追い込まれていった。
その左膝の故障の原因となったアクシデントにはどうも、千花が通っていたF中での執拗ないじめが絡んでいたような節がある。
姉は身長の伸び悩みにも不安を覚えていたが、妹の六花は高校に入って身長が伸び、現在160センチなのだそうだ。
そして、六花は生まれつき右股関節のソケットが少し深いために180度の開脚は難しいというハンディを抱えているのだが、審査した側のどんな思惑からか、ローザンヌ・コンクールの第1次予選であるビデオ審査を通過した。
このような六花のこの先の困難については、バレエ教室を経営する彼女の母親でなくても予想できるところだ。
しかしながら、柔軟で、空想力に冨み、霊感といっていいような感性の鋭さを備えた六花の動きは、時に物事の局面をがらりと一変させるようなところがあって、今後のダイナミックな運命のうねりが大いに期待でき、楽しみだ。
姉が受けていたいじめは、この先、正体を現わすことになるのだろうか。何より、物語のはじめのほうで登場した須藤空美は、どこでどう再登場することになるのだろう?
読者としてのわたしの気は急くが、山岸凉子の筆遣いは、大河の流れのようにおいらかだ。
次のダ・ヴィンチの発売日が待ち遠しい。
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