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2007年8月26日 (日)

創作ノート⑧

 今までかかって、40枚分を形にしていた。おおここまでは、傑作! これは精緻なレースのテーブルクロスで、いくつものそれぞれ違った模様が見事な調和をなしている。これが○○小説だなんて信じられない、芸術度の高さだ。このテーマのものはこれまでに数限りなく書かれてきたのだが、このような内容のものはまだ誰も書いたことがなかった。

 完成もしていないのに、よくここまで絶賛できると思うけれど、1人で大観衆役を務めなければならないからね。だって、1人何役かをこなして熱演しているのに、観客はわたし1人なのよ。

 でも、実際、40枚目まではよく書けていると思う。新境地開拓で、こんなに楽しい創作は三十代に味わったきりだった。本当に楽しい。体力的には苦しいけれど、とてつもなくハイの気分。

 あとは序破急の急を完成たせるだけ。いつも真ん中の破が一番苦しい。同じノルマであっても、なかなか筆が進まず、苦しい思いをする。時間が空回りする。破が、観念的に空中分解せず、かたちとなってくれてよかった。まだ破の部分は出来立てのパンの匂いがしている。

 匂いといえば、破の部分では匂いが主役といっていいくらい、大活躍してくれた。書きながら、よくこんなことが自分で思いつけたものだと呆れたくらいだ。なるほどそうだったのか、と前々から疑問に思っていたある匂いの正体を自ら暴いてやった。

 こんなところが創作の神秘だ。実験器具を使っているわけでもないのに、文字を使った観念の操作でもって実験をしている。実験成功、バンザイだ。これが小説の核となってくれる。兆しがあり、混乱があり、物事自ら静かに語り出すかのようなシーンがあり、あとは結末のトーンをどうするかだ。

 あと15枚書けば規定枚数に届くが、上限ぎりぎりの60枚にはなるだろう。急はもうきっちり頭の中で出来上がっている。スムーズに出てきてくれることを祈るのみ。 

 明日までに10枚、明後日までにさらに10枚書き、制限時間ぎりぎりまで総仕上げに費やしたい。強行軍だッ。でもちょっと休まにゃ、フラフラだ。パソコン用の椅子から立ち上がったとき、よろめいて本棚に体ごとぶつかったよ。

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