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2007年7月18日 (水)

茅舎忌に寄す

 昨日7月17日は俳人川端茅舎の忌日、茅舎忌だった。

 

  大好きな茅舎。

 学生時代に俳句の雑誌で「ぜんまいののの字ばかりの寂光土」「白露に鏡のごとき御空かな」「金剛の露ひとつぶや石の上」「白露に阿吽の旭さしにけり」「約束の寒の土筆を煮てください」などを知り、凄いなあと思いました。

 ちなみに同じ雑誌で村上鬼城の「生きかはり死にかはりして打つ田かな」「冬蜂の死にどころなく歩きけり」にも打たれ、忘れられません。

 俳句は哲学なのだ、何て端正な哲学の流派なのだろう、と思いました。

 その頃は哲学の本――殊に西洋の哲学の本を齧りまくっていた時期でしたが、俳句はそうしたわたしの関心の傾向に違和感なく溶け込みました。

 茅舎には「白露に薄薔薇色の土龍(もぐら)の手」のような、童話を想わせる可愛らしいような句もあります。その学生時代にわたしが読んだ俳句の雑誌には、少年めいた含羞を漂わせた、それでいて端然とした、懐手の茅舎の写真も載っていました。

 脊椎カリエスを病み、早死にした茅舎ですが、彼の句から窺えるのは、病苦に揉まれて研ぎ澄まされた感覚と、病苦の中にも失うことのない若々しさ、鷹揚さ、素直さです。 

 ここで愚作を少し。。。

茅舎忌に夫(つま)の誕生祝かな
茅舎忌の日輪隠せる御空かな
茅舎忌の空は曇つて鳩の声

関連記事: 『本日の俳句鑑賞』再び:プロローグ

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