フジコ・ヘミング、ソロコンサート①
手軽な携帯からの更新です。
昨日、フジコ・ヘミングのコンサートへ出かけました。興奮と疲れで帰宅後ゴロゴロし、もう真夜中ですが、化粧も落としていません。これを投稿したら、落として寝ます。
今回のコンサートで意識せざるをえなかったのは、使用されたベーゼンドルファーというピアノでした。
パンフレットによれば、希少価値のある大層有名なピアノだとか。
素人のわたしの耳には、高音部がキンキンと甲高く聴こえ、それでいて低音部は何ともまろやかに聴こえる、音色が時に豪華に時に痩せて感じられる、如何にも御し難いピアノに想像されました。
このピアノについて、「標準の88鍵の下にさらに4から9組の弦が張られ、最低音を通常よりも長6度低いハ音とした完全8オクターブ、97鍵の鍵盤を持つ」とパンフレットにありますから、そのせいでしょうか。
また、難曲揃いのプログラムも意識せざるを得ませんでした。彼女にとっては自家薬籠中の曲ばかりなのでしょうが、弾くごとに勝負を強いられるのではないかと思わされる曲が並んでいるではありませんか。
これら2つのことを意識していたせいか、演奏自体にその原因があったせいか、ともかく、前回聴きに行ったとき とは違って、わたしは客席で落ち着きませんでした。第一部のショパン『華麗なる大ワルツ』や『革命』などすばらしかったにも拘わらず、安定した気分が得られませんでした。
そして第二部。あれはリストの『ハンガリー狂詩曲』のときだったか、演奏が一瞬止まったのです。わたしの頭の中も真っ白になりましたが、あるいはわたしの勘違いだったのかもしれません。
そのあとすぐに演奏は再開され、よどみなくプログラムの最後まで全うされましたが、前回のような全曲を浸していた情感の潤いや、シックなまでの落ち着きは感じられなかった気がします。
ベーゼンドルファーはフジコにとって、荒馬だったのでは?
だだそれゆえに、完璧だった前回の演奏では見られなかった、ピアノ、奏者間の迫力あるドラマを堪能できたように思います。
他にメモしてきたこともあるので改めて書きたいのですが、書かなければならない記事が溜まる一方だなぁ。
健康だった頃の体力があれば、難なく仕上げられるのに。
フジコさんが何歳かは知りませんが、フジコさんの充実した体力に乾杯したい気持ちです。
が、タバコ1日1箱は(と購入した本にありました)吸いすぎではないでしょうか。ね、ミホさんもそう思いませんか?(もうこのブログのことなんて、お忘れでしょうけれど・・・)。
体調について。フルタイドのお蔭で、コンサート中は咳一つ出ませんでした。
薬の効果が切れた今、また時々の咳と粘着性の痰が戻ってきました。
でもフルタイドを使うと、体が弱る気がしてなりません。使いたくないなあ。窒息死はそりゃ嫌だけれど。
さて、どうするか。とりあえずご訪問くださったあなた様に、「お休みなさい」。 〔②へ〕
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