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2007年5月 8日 (火)

旅支度

 旅支度というとオーバーですが……

 いろいろとありまして(※最近の記事をご参照ください)、傷心の母と娘は旅に出ることにしたのです。博多は大して遠いところではありませんが(はっきりいって、近い)。

 こんなことがある前に娘は転職を考えていて、そのこともあって今出かけるのはどうかという思いもあったのですね。

 でも、わたしたちは、たった2泊3日とはいえ、パパぬきで過ごしたいのです。夫は素直に賛成してくれました。そりゃそうね、崖っぷちで落ちかかっていたところを助けてやったんだから(ほんの少しだけ、いっそ突き落としたい気もしましたけれどね。でも、そうなると、こちらも困るから……)。

20070508023822 旅支度で最初に入れたのは、ホテルの予約表と薬でした。

 循環器科に行って膀胱炎に抗生剤を貰ってきたかったのですが、昨日は行く時間がなかったので、健康保険証もしっかり入れていきます。

 ひどくなったら、泌尿器科か内科にすぐに飛び込めるように。

 ホテルは便利のいい大名にとりました。JTBで予約を頼んだのですが、老舗クラスのホテルがビジネス価格で泊まれるとわかり、1泊2日の予定を急遽2泊3日に変えました。

 で、結局予約したのは、新しいホテルです。プチホテルという感じじゃないかしら。写真を撮ってきますね。

 福岡市は大学時代を過ごしたところですし、新婚時代は博多駅からほど近い郊外に住んでいました。佐賀県に育った子供の頃から、博多は馴染みの街でした。

 だからむしろ、ホテルに泊まって観光客の気分で博多の街を歩いたことはなかったのです。いつも帰りの時間に追われてあくせく……。

 これまで博多に泊まったのは、大学受験のときと都ホテルで結婚式を挙げたときぐらいです。

 今回予定は特に立てていず、ペルシャ文明展をじっくり観、植物園に行くといった程度です。

 では、行ってきます。

 あっ、そうだ。

 31年も昔、大学受験で泊まった旅館は何だか物凄い旅館でした。母が知り合いに頼んでとってくれた旅館だったと思うのですが、旅館というよりあれは民宿でしょうか。。。

 そこのおばさんが弁当を作ってくれたのはよかったのですけれど、土方のおじさんが持っていきそうなドカ弁で……、アルマイトのデッカイお弁当箱に、青ざめた色(?)のごはんがぎゅうぎゅうに詰めてあって、おかずは煮魚がボトッと一つ。 

 3分の1も入らず、捨てるところを探しましたが、残飯を捨てられるところが案外見つからなくて持ち帰り、何て小食、と呆れられましたっけ。

 その旅館の印象は強烈で、わたしは詩にしたためたりしました。そんなことをやっていたせいか、第一志望の大学には見事に滑りました~ 。

 その、わたしが31年前に書いた詩です。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

  旅館でのスケッチ

真四角な缶詰の底
ひざを抱えて ひとり わたしは途方に暮れている。
どこから聞こえてくるのやら
ぽつんと橙色した電球の 光にまつわる
猫のなげきの なやましさ。
わたしは聞く。
コツンコツンと妙に確かなノックの音を
お盆を手にした魔法使いのばあさんが
そら やってきた。
わたしは見るのである。ぽっかり闇の前歯を
ああ 空気がたるみかかる
捕らわれの魚は 皿のうえで血を吐くしかないではないか
どこに忘れてきたのやら
調理場のゴミ箱から
市場の水たまりから あるいは 青い奈落から
魚の眼は ただ一点を凝視している。
彼女の瞳はやさしげに 前歯の空洞はサディスティックに
さあ おあがり と囁く。

ながいながい時間が経つ
わたしはそれをどうしたか?
何ということはない おいしく喰っただけである。
舌は満足げだ。
掌ばかりが悩み疲れて、ほうと息を吐く

わたしは荷造りを終えるところだ
彼女の目尻がやさしげに波を打つ。
しかし 今無き前歯は笑わぬ。
どこか知らぬ街路へと通じる 白い道が
ふてぶてしげに 目覚めるばかり。

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